ありがとう サンダー

歩くとよく、互いに足をふんじゃって、
ぎこちないダンスを踊るような私とサンダーだったのです。
そういえば、
互いに足をふまなくなったのは、いつの頃からだったのだろう?

私たちがペアになったのは、7年前の秋でした。
そして、この秋、サンダーが引退することになりました。
サンダーは病気もケガもなく、
無事に引退を迎えることができてホッとしています。

早い時期、まだまだ元気なうちに引退させよう
これは、私がサンダーにはじめて出会った時に、
心に誓ったことでした。

四六時中サンダーと一緒だったので、
離れ離れになるのは、とても悲しいですが、
離れていてもずっと一緒、という思いや、
虹の橋を渡ってまた会える、なんて確信のようなものもあったりします。

サンダーの引退と同時に、
二頭目のアイメイトとの訓練がはじまります。
また、互いに足をふんじゃうような、
ぎこちないダンスのはじまりなのでした。

覚悟の片付け

私は片付け暦が15年になるのだけれど、
それがリバウンドなしに上手くいっている要因は「覚悟」なんだと思う。
いつ何があったっていい、覚悟である。

自分がもし事故にでも遭ったら?
救急車で運ばれた時恥ずかしくないパンツをはいておこう、と同じ心理だろうか。
いま思えば「そんなことないじゃん」なのだけれども、
目が不自由になったら何かと危険に遭うだろうから、
下手したら命を落とすかもしれないと思い込んでいた私は、
35歳にして生前整理を始めたのだ。
それこそ、涙を流しながらである。

さて、悲壮感とともに始まった生前整理なのだけれど、
思いがけず快適で心地よい生活が待っていた。
まったく、あの悲壮感は何だったのだろうかというくらい、
泣きながら始めたのに、やってるうちに楽しくなっちゃって、
30年くらい前倒ししての生前整理は、
30年分くらいの快適さや心地よさをもたらしたのでした。

時間

親しい人を失うということは、
その人との習慣も失うということだ。

親友から毎日かかってきた電話も無くなって、
あてていた時間がポッカリと空いてしまった。
よく「心にポッカリと穴が空いたようだ」と言うけれど、
共有していた時間が抜けてしまうのもあるのだろう。

かかってこない電話に少しづつ慣れてはきたけれど、
あてていた時間の使い道が、ちょっと分からないでいるのです。

野山を駆け回ってた子ども

親友が逝ってしまった。
…こう書いていても、まだ信じられないような気持ちがどこかある。
冷たくなってしまった親友の頬に触れ、
焼かれたばかりで熱の残る骨も拾ったというのに。

いや、無理もないことだ、と思う。
親友は、私のこの20年そのものだったのだ。
つきあいの深さだけ、
想いの強さの分、
何かしら時間がかかるのは当たり前のこと。

…オーライ、ゆっくりいこうね。
そう私は、内なる自分に言うのでした。

出会う前から、二人とも大好きだった曲。
私たちが主催した「矢野顕子 出前コンサート」で、
アッコちゃんが演奏してくれて大感激したのでした。
(ご冥福をお祈りします。)

矢野顕子 – GREENFIELDS – YouTube

アムロとルークと、ろばの子/「ろばの子 昔話からのメッセージ」小沢俊夫・著

ガンダムが40周年だそうだ。
私はリアルタイムで見ていて、アニメーターにもなりたかったけれど、
その後に、本家というか元ネタのスター・ウォーズを好きになり、
アニメ自体も卒業してしまった。

ガンダムもスター・ウォーズも、作品そのものが好きだったというよりは、
作品に込めた願いや伝えたい意図のようなものに、私は魅かれていたのだと思う。
どちらも若者の成長の物語でもあって、
ルークは、すんでのところでダークサイドに落ちてしまいそうになるし、
アムロにいたっては、ひ弱で内気で暗い。
二人はヒーローらしくないのだけれど、成長していく姿がリアルヒーローだ。

さて、日本の昔話にも、一見頼りなさそうな若者の話がいっぱいある。
ドイツ文学者で、日本の昔話の研究者、小澤俊夫さん
(ミュージシャンの小沢健二さんの父上)によると、
日本の昔話が道徳的で教育的なものに改ざんされてしまったのは明治からで、
それ以前の昔話は、今とは違うものだったという。

たとえば、あの桃太郎。
小沢さんの著書、「ろばの子 昔話からのメッセージ」には、
オリジナルの桃太郎が収録されているのだが、
桃太郎はチャランポランな子で、鬼が島に鬼退治にも行っていない。
小沢俊夫さんによると、
若者が主人公の昔話で、若者の描かれ方といったら、
「いつも眠くてグータラで、ボーッとしている」のだとか。
でも、それが若者というものなんだから、と、
昔の人はお話を語り継ぐことで、若者を見守ってきた。
そして、さなぎが蝶に変容するように、
昔話には若者が成長していく姿が描かれる。
若者は変化の象徴でもあるのだ。

一方、若者との対比として描かれるのは爺さんや婆さんで、
たとえば、こぶとり爺さん。
良い爺はずーっと良い爺のままで、
悪い爺はずーっと悪い爺のままだ。
キャラクターが一切変わることなく物語は終わる。
頑固で、もう変わっていかない存在として描かれているのだ。
そういうものなんだから、と、
いわば昔話は「語り継ぐ知恵」だったのだろう。

さて、この本「ろばの子 昔話からのメッセージ」には、
桃太郎の他にも、シンデレラや白雪姫、わらしべ長者など、
有名な話の原典が収録されている。
それぞれの話に小沢さんによる解説が添えられているのだが、
「三度くりかえし法則」の解説が興味深い。
どの話にも共通して、同じようなエピソードが三度くり返されるのは、
成長したくても成長するのが怖い、
振り子のように揺れ動く若者の気持ちを表しているというのだ。
そんな若者たちに、一見マイナスに思えることが起きたり、
様々な出会いがあったりして、いつしか変わっていく。

しかし、大人になると、
そんな「もどかしさ」が自分にあったことなんか忘れてしまう。
昔話は、昔の自分もそうだったことを想い出させる装置でもあるのだ。
(タイトルにもあるグリム童話の「ろばの子」を読んでボロ泣きしたとです)

・「ろばの子 昔話からのメッセージ」
小沢俊夫・著
小沢昔ばなし研究所・刊

Q:梅と桜と桃の見分け方は?

きょうは旧暦の三月三日で、桃の節句だった。
名古屋は桜が満開を迎えている。

「もう間違えない!梅と桜と桃の見分け方」
という記事のタイトルを耳にして、
「間違えるわけないでしょう」と私は思ったのだけれど、
都会育ちの人や、花木にあんまり関心のない人だったら有り得る事なのだろう。

「もう間違えない!○○○48の見分け方」だったら、
目が見えていたとしても、私は同じにしか見えない自信がある。
関心もなければ、見分けたいとも思ってない。

でも、知り合いの娘さんとか、親戚の子が48グループに入ってたとしたら、
その一人の子を通して見分けがつくようになるのだろう。
それで、梅でも桜でも桃でも他の木でもいいのだけれど、
まず、一本の木と仲良くなると分かるようになるよ、というお話でした。
(Э:梅の花びらの先は丸、桜は先割れ、桃は尖ってる)

変化の兆し?転機の前兆のサイン

誰にでも、人生の転機がやってくる。
大きかったり小さかったりするけれど、
一度だけではなく、何度もやってくる。

あれは転機の前兆だったのだろうか?と、
振り返ってみると思えることがある。
私の経験や、
お会いした方々のケースから、
転機に先立つ「サイン」をまとめてみました。

・一見マイナスに思えることが起きる
病気やケガ、別離やリストラなど。

・とにかく眠い
寝ても寝ても眠い。
どれだけでも眠れてしまう。

・電化製品の異常
人の波長の変化によるもの?!
電化製品が続けて壊れたり、
動作が不安定になる。

・人間関係の変化
しばらく離れていた人と再会する。
反対に、理由もないのに疎遠になってしまたり。

・イメージチェンジしたくなる
髪型やメイクやフレグランスを変えたくなる。
似合う色が変わったような気がする。

・好みが変わる
好きだった趣味が冷め、
新たな興味を持つ。
人によっては、食の好みが変わる。
急にアレルギーになって、強制的に食べられなくなることも。

・家や部屋のお片付けをしたくなる
不用品を整理したり、模様替えをしたくなる。

人は成長し変化していく生き物です。
環境の変化がなくても内面的な変化など、
何かしらの方向転換の前には、
無意識にその準備を始めているものです。

口に出して読みたい名前

新しい元号が発表された。
目の見えない私は、漢字よりも語感に目がいく。
いや、言葉の音に耳がいく?と言うべきか。

「れいわ」としばらく口に出してみたら、
Rの発音が苦手なせいもあって、綺麗な「れ」にならない…。
でも、綺麗な「れ」が決まると、気持ちがいい。
ポロロロローンと、ハープの効果音入りで華やかな気分になったりしてね。
ちょっと難しいんだけど、綺麗に華麗に美しく発音してみたくなる。

さて。
感性アナリストで脳研究者の黒川伊保子さんによると、
人の名前だったり、企業や商品の名前など、
あらゆる名前がついているものは、
くりかえし呼んだり呼ばれたり、
文字を読んで頭のなかで無意識に発音したりと、
音のイメージが潜在意識に深く入ってくるそうだ。
言葉の意味も分からない赤ちゃんの頃から、
唇の周囲の息や筋肉の動きを敏感に感じ取るそう。

余談だが、生前の父に、
私の名づけの由来や意味を聞いたことがあった。
調べたら画数もいいので、そこも気にしたの?と。
父曰く、
「なーんにも意味はないよ。言葉の響きで決めただけだもん。」
そ、そうでしたか…。
まあ、猫の名づけも同じようなものだったものね。
もらってきた私が命名するはずが、考えすぎてモタモタしたのがいけなかった。
名なしの子猫を、のんのんのーん♪と母が鼻歌であやしているうちに、
猫が反応するようになってしまい、「のんちゃん」に決まった経緯がある。
それはともかく、発音して心地いいというのは、決め手になるかもしれない。
心地いいというのは、しっくりくるということだ。
令和の他の候補も公表されたけど、
口に出してみて、一番しっくりきたのは「れいわ」な気がする。
これから令和にちなんだ名前の赤ちゃんが増えそう。

さて。
語感によってまったくイメージは変わるもの。
その音のイメージが、子どもの性格にも影響を与える、と、
黒川さんはこれを18の項目に単純化して以下のように大別しているのだが、
イチローや矢野アッコちゃんなんか「そのまんま」なので唸ってしまう。
「れいわ」の「ら行」の項では、
万葉集の梅の歌の出典を引き合いに出さずとも、
花びら感のイメージがあることに驚くだろう。

それから、名づけに大事なのは、
「赤ちゃんの顔を見てから決める」ことだという。
【生まれてきた赤ちゃんが持つ“いのちの色合い”を、
その目で、手で、肌で、感じてください。】と。
名づけられるというよりは、名前を持って生まれてくるということか。

***
1.【あ】から始まる名前
:オープンで明るく自然体
息を止めたりこすったりせず、声帯の響きだけで出す自然音。
「あ」は口を開ける心地よい開放感があり、のびのびとこだわりがなく、
あっけらかんとした性格に育ちます。
男の子:アキラ、アツム、アサヒ、アキヒロ
女の子:アヤカ、アイ、アミ、アオイ
2.【い】から始まる名前
:一途ながんばりやさん
舌の根元から中央に向かって、強い緊張感をつくりながら出す「い」の音。
口の奥から前に向かって強く押し出すように発音するため、
ひたむきで前のめりな性格に育ちます。
男の子:イツキ、イタル、イッセイ、イブキ
女の子:イズミ、イオリ、イクミ、イトセ
3.【う】から始まる名前
:内なる力を秘めたクリエイター
舌をくぼませ、力を集中して発音する「う」。
強い力が内向きに働くため、
独自の世界観を自分の中で熟成させていくクリエイティブな性格に育ちます。
男の子:ウキョウ、ウイチロウ、ウシオ
女の子:ウミ、ウララ、ウタ、ウノ
4.【え】から始まる名前
:知的でエレガント
舌を平たくして、口の奥に引き下げるように発音する「え」。
一歩下がって周囲を眺め、
物事の本質を見抜いたり、物事を客観的にとらえる分析的な性格に育ちます。
男の子:エイタ、エイスケ、エイシン、エイト
女の子:エマ、エリカ、エミ、エリナ
5.【お】から始まる名前
:おおらかで寛大な大物
唇をすぼませながら、口の中に大きな空間を作って音をひびかせる「お」。
包み込むような優しさ、安定感を感じる音です。
包容力や存在感のあるリーダータイプに育ちます。
男の子:オウスケ、オウガ、オサム、オウタロウ
女の子:オトハ、オリエ、オウカ、オトミ
6.【か行】から始まる名前
:クールでドライでカッコいい
のどをキュッと絞って発する「か行」の音。
息が口の中に強くぶつけられ、素早く駆け抜けるため強さやスピード感抜群。
目標に向かってジャンプする瞬発力のある子に育ちます。
男の子:カイト、ケンタ、ケイスケ、コウセイ
女の子:カノン、カホ、ケイコ、ココロ
7.【さ行】から始まる名前
:爽やかで清潔感いっぱい
息を舌の上にすべらせて出す「さ行」の音。
息をシャワーのように噴出させるので、光が拡散するようなイメージもあります。爽やかでスマートにふるまえる子に育ちます。
男の子:サトシ、ショウ、スバル、ソウタ
女の子:サアヤ、シホ、スズネ、セリナ
8.【た行】から始まる名前
:パワフルで粘り強いリーダー
舌に息をため、上あごにぶつけて叩き出すように発音する「た行」の音。
強いパワーだけでなく、舌の唾液をはがすようなしっとりした粘性も備え、
一歩一歩積み重ねるしっかり者に育ちます。
男の子:タケル、ツヨシ、テッペイ、トウマ
女の子:タマキ、チアキ、ツムギ、トモカ
9.【な行】から始まる名前
:親しみやすい愛されキャラ
上あごを舌でやさしくなでるようにして出す「な行」の音。
N音から始まる名前を口にすると、やさしくなでられるような親密な感情が生まれ、誰からもかわいがられる子に育ちます。
男の子:ナオキ、ナツキ、ノゾム、ノリユキ
女の子:ナナミ、ニナ、ネネ、ノゾミ
10.【は行】から始まる名前
:ほんわかふわふわの癒し系
喉をこすりながら、温かい息をゆっくりと口もとへと運ぶ「は行」の音。
「ハ~」とかじかんだ手を温めたり、「フ~」とスープを冷ましたり、
ほんわかとほどよい距離感で人に寄り添う癒し系の子に育ちます。
男の子:ハルト、ヒロト、フミヤ、ホクト
女の子:ハオト、ヒナタ、フウカ、ホノカ
11.【ま行】から始まる名前
:お母さんのような頼られキャラ
口の中にやわらかく満たした息を、鼻腔に響かせて出す「ま行」の音。
ハミングのようにふっくらとした幸福感と安心感を与えてくれます。
信頼され、面倒見のいい子に育ちます。
男の子:マサヨシ、ミキト、ミナト、モトキ
女の子:マナミ、マユ、ミサキ、メイ
12.【や行】から始まる名前
:やわらかくやさしくゆったり
「ィヤ」「ィユ」「ィヨ」と、母音「イ」を変化させながら出す「や行」の音。
曖昧でゆらぎのある弛緩した音は、やさしい開放感に満ちあふれています。
人当りがやわらかく懐の深い子に育ちます。
男の子:ヤマト、ユウマ、ユウキ、ヨウヘイ
女の子:ヤヨイ、ユリナ、ユカリ、ヨシノ
13.【ら行】から始まる名前
:知的でスタイリッシュ
舌を花びらのような形にして、ひらりとひるがえしながら発音する「ら行」の音。華やかさの一方で、
口を技巧的に動かして発音するため、知的でスタイリッシュな子に育ちます。
男の子:ライト、リク、リョウタ、レン
女の子:リコ、リナ、ルカ、レイナ
14.【わ】から始まる名前
:サービス精神旺盛な個性派
「ゥア」と母音を変化させながら発音する「わ」の音。
「ウ」の緊張感を、一気に「ア」へ押し広げて発音するため、
ふわっと膨らむイメージの音です。
わっ!とダイナミックに人を楽しませる子に育ちます。
男の子:ワタル、ワク、ワカアキ、ワヘイ
女の子:ワカ、ワカバ、ワカナ、ワコ
15.【が行】から始まる名前
:凄みのあるカリスマ
喉をギュッと絞るようにして出す「が行」の音。
喉元を締め上げられるような感覚がするので、
無意識に脳に偉大さや凄みを感じさせます。
周囲がひれ伏すような迫力のあるカリスマ性のある子に育ちます。
男の子:ガクト、ゲンキ、ゲンイチロウ、ゴウタ
女の子:グミ、グリコ、グエン
16.【ざ行】から始まる名前
:お茶目でモテる人気者
口の中で舌がふっくらと膨らむ「ざ行」の音。
豊かで高級感のあるイメージ、育ちの良さを感じさせます。
発音したときに口の中に風が起きるため、
にぎやかさのあるお茶目な子に育ちます。
男の子:ジュン、ジュンイチ、ジュンペイ、ジョウタロウ
女の子:ジュリ、ジュリア、ジュンコ、ジュンナ
17.【だ行】から始まる名前
:どっしりと風格のある大物
上あごに舌をやわらかくぶつけて出す「だ行」の音。
振動音が口の中にとどまるので、
重く動かないどっしりとしたイメージがあります。
大樹のような安心感のある子に育ちます。
男の子:ダイキ、ダイスケ、ダイゴ、ダイチ
女の子:ドナなど
18.【ば・ぱ行】から始まる名前
:元気はつらつパワフル
くっつけた唇を息で破裂させて出す「ば行」「ぱ行」の音。
唇を刺激するので食や成長、繁栄や繁殖のイメージです。
イキイキとした生命力を周囲にふりまく、元気はつらつな子に育ちます。
男の子:ビン、ブンタ
女の子:ベニ、ベニオ

アタシの好きな先生

RCサクセションの歌に、「僕の好きな先生」があったけど、
清志郎が、高校の美術の先生からとても大きな影響を受けたように、
私は、担任でもあった高校の世界史の先生から大きな影響を受けている。

その高校の担任で世界史の先生は、
歌手で俳優の石橋凌さんが2割、
残りの8割は、小木ママこと教育評論家の小木直樹さんをブレンドした感じ。
先生の世界史の授業では、普通の教科書は使わなくて、
先生が執筆して編集したオリジナルテキストブックがメインだったのだけれども、
紙面には、粋な歴史こぼれ話や、面白いコラムもあったと思う。

「高橋、そんなことでは良い市民になれませんよ?」
が、劣等生だった私を注意するお決まりのフレーズだった。
先生は、市民革命であるフランス革命が大好きなのだ。
より良い社会は一市民から、がモットーでいらしたので、
自分は何だったら社会のためにできそうか考えてみなさい、と言うのだ。
物腰が柔らかで、叱られているというよりは諭されている感じ。
余りにもアタシがアンポンタンだったので、
もしかしたら、他の生徒とは違う叱られ方だったのかもしれない。

そういえば、先生と進路について話していた時、
私はなんとなく「文章に関わる人になりたい」と言ったことがあった。
思いつきで言ったのに、
先生は、そうですかと聞いてくれたのだ。
なにしろ思いつきだったので、私はすぐに忘れてしまい、
新たな思いつきの、小学校の先生を目指したのだが、
結局、見事に大学に落ちて、グラフィックデザインの専門学校へ。
文章に関わる人、と言っても、
物書きになった訳でもないのだが、
広告の写植(活字のデザインのようなもの)や、
雑誌の校正・入稿作業だったり、
漢字がいっぱい書いてある掛軸の仕立て屋だったりと、
思えば、どれも文章に関わる仕事に就いていたのだった。
目が見えなくなった今は、
仕事じゃないけれど、こうしてブログを書いている。
(下手なのに、読んでくださっている皆さん、ありがとうございます。)

それから、教員になれなかったけど、体験学習の講師として、
小中学校で授業もさせてもらったりして、
ほんと、人生って分からないし不思議。

もし、先生に再会できたなら、
職業や志望校がどうのじゃなくて、
「良い市民」になりなさいと言ってくれたことに、
私はお礼を言いたい。
先生が言うところの良い市民になれたか自信はないけれど、
よりよい社会になったらいいなぁと、ずっと思ってきた。

高校卒業を記念して、
先生は、私たちクラスの生徒に、黄色の小さな紙切れをくれた。
それには、先制が模写した星の王子様のイラストと、
二つの送る言葉があった。
「It can be done」(できるモン)と、
「気がつけば頂上」。
この黄色の小さな紙切れは、
アタシのお守りみたいになっていて、
お財布のポケットが定位置になっている。

伝説のフェスから50年/「ベイビー レボリューション」浅井健一・奈良美智/著

米・ウッドストック・ミュージック・フェスティバルの開催から今年の夏で50年。
愛と平和と反戦を訴える若者やヒッピーたちが、全米から40万人集まった、
伝説の野外ロック&フォークフェスティバルだ。
ベトナム戦争、公民権運動、女性解放運動など、激動の60年代、
古い世界を変えたい若者たちの、フラワームーブメントの頂点だった出来事。

1969年当時、私は一歳の赤ん坊だったのだけれども、
自分の生まれた60年代の洋楽がとても好きだ。
そして、背景にあるヒッピーカルチャーやニューエイジムーブメントも大好き。
赤ん坊だったから、当時の世界のことは憶えてはいないのだけれども、
赤ん坊は、世の中に充満した何かを吸って育つのかもしれない。

さて、ミュージシャンの浅井健一さんと、
美術家で、大のロック好きで知られる奈良美智(なら よしとも)さんの
お二人による絵本が出ている。
あのベンジー(浅井さん)と、あの奈良さんが!
浅井さんは、元・ブランキー・ジェット・シティ、現在はシャーベッツで活躍、
奈良さんは、よしもとばななさんの本の表紙の女の子の絵が印象的だ。
文は、浅井さんの作詞した歌の歌詞がそのままで、
絵は奈良さんの描き下ろしなのだそう。

お二人は元々お互いのファンだったそうで、しかも愛知県に縁がある。
いまでも名古屋弁でしゃべる浅井さんは、名古屋の出身で、
奈良さんは、奈良じゃなくて青森出身だけど、愛知県立芸大の卒業なのだ。
奇遇なのは、お二人が以前はじめて対談した時のこと。
名古屋は藤が丘にあるレコード屋で奈良さんがバイトしてた頃、
学生だった浅井さんが通っていたことが判明したのだとか。
音楽は知らないうちに人と人をつなげるね。

「かわいい奇跡を起こしたい」
と、絵本の出版インタビューで語っていた浅井さん。
あの夏、先陣たちが蒔いた種が、いつか奇跡を起こしますように。

「Baby Revolution」
作詞 KENICHI ASAI
作曲 KENICHI ASAI
唄 SHERBETS

青い空の下をはう 3万人のBabyが
裸の生まれたそのまま 3万人のBabyが
野を越え山越え谷を越え 3万人のBabyが
そのうち半分チュッパを 吸ってる人のBabyが
平和と愛のメッセンジャー 突然起こった出来事
大人達はみんなびっくり 3万人のBabyに
ラジオもテレビもトップニュース 報道機関は大パニック
世界中のBaby達 突然集まりはいだす
3万人のBabyが 30万のBabyが ひたすらはいはいして行く
なんという出来事なんだ 危険も省みないで
ひたすらはいはいして行く Baby Revolution

青い空の下をはう 30万のBabyが
中には泣きだすやつもいる 30万のBabyが
ビルの谷間も海の上も何にも思わずはってく
ジャングル奥地も氷河も 元気にはいはいして行く
世界中のBaby達 平和と愛のメッセンジャー
30万のBabyが 300万のBabyが ひたすらはいはいして行く
みんなはその姿を見て 何かを気づかされるのさ
ヘリコプターが中継 Baby Revolution

青い空の下をはう 3千万のBabyが
宗教 条約 法律 何のことだかわからない
まもなく戦争地帯だ おかまいなしに進んでく
兵士も戦車もミサイルも みんな拍子抜けしてるよ
3億人のBabyが みんなの憎しみ消してく
みんなの争い消してく
30億のBabyが ひたすらはいはいして行く
危険も省みないで みんなはその姿を見て
きっと心変わるだろう みんな我に返るだろう
僕達何やってるのか 爆弾落として僕達
悲しみつくって僕達 いったい何やってるのか
何のために殺しあうの 何でこんなことしてるの
30億のBabyが ひたすらはいはいして行く
みんなの憎しみ消してく Baby Revolution
たったひとりの Baby が
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・「ベイビーレボリューション」
浅井健一・文
奈良美智・絵
クレヨンハウス/2019年