月別アーカイブ: 2018年3月

開幕だよ!

野球好きには待ちに待った日なのだろう。
亡き父は開幕が近くなると、
いそいそと出かけては、
本屋で選手年鑑を、
コンビニではスポーツ報知を買い、
見るからにソワソワ、明らかにソワソワとしていた。
そんな父の様子を見て、母と私は面白がって、
お赤飯を炊いたり、
今日だけねと、テレビの前に父のお祝い御膳を運んだりした。

その日を指折り数えて待つような野球狂ではない私は、
父が亡くなってからは、
今年の開幕いつだっけ?てなもんである。
小さい頃から週刊ベースボールが家にあって読んでいたし、
テレビには野球中継が映っていたけれど、
カエルの子はカエルにはならなかった。

しかし、隔世遺伝というものなのだろうか、
甥っこは大のベイスターズファンだ。
横浜で新しい学生生活をはじめた彼は、
今日の開幕戦に行くそうだ。

歌って踊ってのチビ子ちゃんだった姪は、
この春から、学校の音楽の先生である。
幼いころから音楽が好きで、好きを伸ばす環境もあった。
教員をしている親の姿が無意識にあったかどうかは分からないけれど、
音楽の楽しさを教えることに。
(追記 初任は音楽ではなく、都の新たな試みの担当になったそう。)

母は嬉しそうに、
孫たちの「開幕」を、
父の写真に報告していた。

オン ザ ロード

サンダーと歩いていたら、
どこかで聞いたことのある声に呼び止められた。
朗らかで元気な女性の声、
体験学習に行った小学校の、お世話になった学年主任の先生だ。

この先生は、青年海外協力隊で活動経験もあって、
区内だけど遠くの小学校へは自動二輪で通っているとは聞いていた。

私は最終選考で落ちたけど、青年海外協力隊を目指したことがあったし。
中型二輪は、私の腕力では取り回すことができなくて、
泣く泣く小型免許になったけど、私もバイク乗りだった。
さらに言えば、
大学入試で落ちたけど、教員志望だったことも。
過去にもしもはないけれど、
自分の並行世界の人生を見たような気がして、
親近感と、
こんな言葉はないけど、親遠感とがあった。

この先生は私の生活エリアにお住まいなのだけれど、
路でバッタリお会いするのは初めて、
荒子観音の前の歩道で、しばし立ち話をする。

この春、中国の日本人学校への赴任が決まったという。
ひえー、そうでしたか!
持って行く荷物をまとめて、
置いていく荷物は預けてと、海外で暮らす準備は大変そう。
体験学習でお会いした二年前から、幾つもの試験を受けていたそうで、
「いろいろありましたが、ようやく行けることになりました」、という言葉が、
春の日差しのように眩しく感じた。
今日の用事は、違う道で行くつもりだったけど、
こっちの道にして良かったな。

そして、
「お元気で!」と握手をして分かれたのでした。

これも、名古屋ウイメンズマラソン

高橋尚子、野口みずきを名古屋ウイメンズで、
有森裕子は犬山マラソンで、
沿道で応援してきたマラソン好きの母。

好きがこうじて、という訳ではないけれど、
母は名古屋ウイメンズに二大会連続出場した。
昨年は、31キロ地点を示す看板を持つ「看板ガール」で、
今年は、補給食のパンを切る「パン切りガール」だ。

帰宅した母は言う。
「提供品のPASCOのスティックパンを、
早々に切って並べて待ってたんだけど、
あたしたちレース配分、間違えちゃったの!
そもそも招待選手や実業団選手、レース中に食べないでしょ?」
選手は完走、パンは乾燥した、と。

さらに言う。
「途中までスティックパンを二等分か三等分に切ってたけど、
これは余りそうだねーと、
しまいには、切らずにまるっと一本を、
ハイ、どうぞ!」ってランナーに配っちゃった!」
あはは、大盤振る舞いだ。
遅いランナーはラッキーだったねー。

「トップランナーを見るのも楽しかったけれど、
市民ランナーと、やりとりするのも嬉しい」そうな。
そうね、最短を競うだけがレースじゃない。
人生と同じだと思うんだけど、
寄り道したり、立ち止まったりするのも醍醐味だ。
それから、
「大声で応援するって、こっちも元気が出るね」と言う。
…そだねー!

それでも残ってしまったスティックパンは、
PASCOさんが母たちボランティアに、
お土産に持たせてくれたそう。
土産話とPASCOのスティックパンを持って、
母は元気に帰ってきたのでした。

天気読み

春の天気だなぁ、と思う。
今日はとにかく風が強かった。

雨の翌日は風が強くて、
翌々日は晴れる。
雨をもたらす低気圧が去った後の、細かい縦のしましまは、
春や秋のおなじみの天気図だ。

昔スキューバダイビングの免許を取った時のこと。
フランスのダイビング協会の、国際免許だったのだけれども、
パスするためには実技と学科の試験があって、
学科試験では、水圧の計算だったり、
何分潜ったら、次の潜水時間と深度の限度はどれだけ?とか、
天気図を読んで答える問題とかあった。

勉強した内容、ほとんど憶えていないのだけれども、
「今日の九州の天気が、
明日の東海地方の天気です。」
これだけでも覚えておきましょう、と、
理科の苦手な私にインストラクターさんは言ったのだけれど、
本当にこれだけしか憶えていないのでした…。

音楽で世界を

パディは今どうしているのだろう?
英国バンド、Prefab Sprout(プリファブ・スプラウト)の、
ボーカルにしてソングライターであるパディ・マクアルーン。
プリファブ・スプラウトは私の大好きなバンドで、
90年の「ヨルダン ザ カムバック」は、
今も私のナンバーワンアルバムの座にいる。

「文学作品のよう」と称される歌詞に、美しいメロディと作りこまれた音。
私は英語はからっきしで、英米文学にも詳しくないのだけれど、
パディの曲は、聴いていると映像が浮かんでくる。
それもその筈、パディにはアルバム毎にコンセプトやストーリーがあったそうで
なるほどアルバムを一枚聴き終ると、
映画を一本観終わったかのような感覚になる。

もうバンドはパディひとりになり、長く活動休止していることは知ってるけど、
オザケンも帰って来たことだしさ、パディも!?
そんな期待を抱いてパディ・マクアルーンの今をを調べてみたら…。
天才ソングライターの、気まぐれな隠遁生活を想像していた私は、
残酷に思える彼の空白期をを知り、いたたまれなくなった。
澄んだ目と、素晴らしい音感を持つパディは、
病の為ほとんど視力を失っていて、
しかも、酷い耳鳴りを伴う聴覚障害で、歌うことができなくなっていた。
なんてことなの…。

そして、20年前の未発表のデモ音源もリリースされていることを知る。
ホームメイドのチープな音源で、かつてのアルバムの完璧な音ではないけれど、
「Music Is A Princess」を聴いた私は、
若かりし頃のパディの歌声と、ストレートな歌詞に泣いてしまった。
(Prefab Sprout Music Is A Princessより)
「音楽はお姫様
彼女の前では僕はボロを纏ったただの少年
生涯この身を捧げるんだ」
これ、音楽に向けたラブレターじゃない?
パディは歌えなくなったけれど、曲というラブレターは書き続けているそうだ。

それから、
『Let’s Change the World with Music』
音楽で世界を変えましょう、というパディの言葉に、
音楽で自分の世界を変えてもらった私は、
そうさ!と、
素直に信じているのです。

3月3日・4日 荒子公園 梅まつり

今年は梅の花が遅くてヤキモキしていたのだけれども、
ここ数日の陽気のおかげで、
ようやくポポッと咲きだしたみたい。

きのうサンダーと歩いていたら、
ふわぁと梅の香が詰まった空気の層に入った。
はー、いいねぇ…。
足を止めて、深呼吸した。
(サンダーよ、地面の匂いを嗅ぐんじゃありません)

*荒子公園 梅まつり*
3月3日・4日(無料)
(毎月第一日曜に荒子観音で開催している「円空市」が、
3月は、3日と4日に荒子公園で行われます)

・アクセス
市営あおなみ線「荒子」 徒歩8分
地下鉄東山線「高畑」徒歩10分

荒子公園梅園に梅250本
梅の見頃は、三月上旬から中旬