秋のはじめだったと思う。
姉がラジオをつけると、小沢健二の「僕らが旅に出る理由」が流れて来て、
聞いていたら不意に泣いてしまったのだとか。
オザケンで泣くとは思ってなかったから驚いちゃった、
こんなにいい曲だったかしら?と言っていた。
この曲は、旅に出る恋人の幸せを祈る曲だ。
いや、始めは恋人のことで、ごくパーソナルなんだけど、
曲が進むにつれ「遠くまで旅する人達」ぜんぶになっちゃって、
終いには宇宙まで飛躍しちゃうんだから、オザケンは天才だと思う。
それに「旅に出る理由」ってタイトルなのに、
理由はこれこれこうです、って明らかにされてもいない。
人生は旅のようなもの、とよく耳にする。
マインドフルネスの源流と言ってもいい、名著「ビー・ヒア・ナウ」の著者でもあり、
元・心理学者で、思想家のラム・ダス(先日、移住先のハワイで逝去)も、
「私たちはみな、
家までの道のりを歩いて帰る途中だ。」と言っていた。
天国から出発して、
再び天国に帰る旅路が人生だ、と。
オザケンがそこまで考えて作ったのかどうかは知らないけれど、
天国から「いっておいで!」って、
子らを送り出す神様みたいな視点も感じられるのだ。
かわいい子には旅をさせよ、と言う。
旅に出る理由は、
神様に愛されているから、なのだろうか?
今年は、私の大好きな橋本治が、
私の大切な親友が天国へ帰っていった。
神様にニコニコ顔で出迎えてもらったに違いない。
・「ビー・ヒア・ナウ 心の扉を開く本」
ラム・ダス 著/平河出版社
小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」 PV – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lCpxQyWqkVk
フルバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=jEgTUAYPkfk