ストレスを感じたり、恐怖や不安、悲しみや怒りなどの感情に気がついた時に、
フゥーと深呼吸をしたら心が落ち着いた、という経験はないだろうか。
リラックス状態では、自然と呼吸は深くてゆったりしている。
反対にリラックスしていない時は、呼吸が速くて浅い。
では、リラックスしてないなと気がついた時に、
あえてリラックスモードの、深くゆったりとした呼吸をすると?
「いま私の身体はリラックスモードです」と脳に電気的に信号が送られる。
すると、その信号を受け取った脳は、
「いまリラックスしてるようだね(知らなかった)」と、
落ち着いているという感情を作り出す。
それでは、浅くて速い呼吸をすると?
脳はこう受け取る。
「おや、これはリラックスしていないサインだ。了解。」
落ち着かないとか、ネガティブな感情も作りだす。
こうして理由もないのに、ささいな理由になぜかイライラセカセカ。
呼吸だけじゃない。姿勢や動作も同じことが言える。
こんな実験がある。
二分間、身体を縮こませて立ったり座ったりを繰り返すと、
無力感が生まれ、何かをする気力が萎え、
ストレスホルモンのコルチゾール値が上がる。
一方、体を上に伸ばしたり、腕を拡げて胸を開いたりする動作や、
歩いたり、ダンスしたりジャンプするなどの「軽いリズム運動」は、
やる気や幸福感が生まれ、ストレスホルモンのコルチゾール値も下がる。
呼吸や関節や筋肉の動きは「無意識の信号」で、
その信号が脳に届き「意識できる感情」として変換されるというわけ。
この馴染みの感情のトリガー(引き金)は?
自分の呼吸や姿勢や動作を観察してみよう。
私たちの感情は、日頃の身体の使い方次第と言ってもいい。
これは侮ってはいけない、ちいさなことだけれど大したことなのでした。
(パソコンやスマホ、呼吸は浅くて、丸めた姿勢で、固まって動かないんだよね)