カテゴリー別アーカイブ: ひとりごと

タイムマシンにお願い

日本のレジェンドギタリスト、
73歳の高中正義が欧米の若者に大人気ですごいことになっている。

ロンドンやニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコなどで行われた
高中さんの初ワールドツアーの様子がyoutubeでアップされているのだけど、
ライブに詰めかけた若者たちのタカナカ!コールや、
ギターのフレーズに合わせての大合唱にびっくり。
お祭り騒ぎじゃん。まるでサッカーの試合みたいだよ。

高中さんのこと、
私はロックというよりはフュージョンギタリストの人という印象が強くて、
欧米の若者たちのノリはちょっと不思議なの。

それに、やたらと欧米ファンの間でパパイヤのワードが出てくるのも謎。
ファンサイトがパパイヤなんとかというネーミングだったり。
コンサートの後にファンが集う「パパイヤ アフターパーティー」って何なの?

このパパイヤの謎を調べてみると、
2006年の日比谷野外音楽堂でのコンサートで、
ブラジリアン・スカイズという曲の、
パパパヤ パヤパヤと歌う女性コーラスの場面で、
高中さんは客席に向かってパパイヤを投げこんでいた。
何年か前から日本のシティポップが世界的なブームで、
高中さんも人気だったけど、
このパパイヤ投げがネットで拡散されて、
さらに人気が爆発したそう。

パパイヤだけじゃない。
サーフィン型ギターを演奏する姿や、
コロコロのついたオフィスチェアに座って、
ペダル(エフェクター?椅子の?)を踏みながら演奏する姿もネット拡散、

楽園や海をテーマにした楽曲
クリアなギターの音色、
遊び心、
にこにこしながら楽しそうに引く高中さんに、
欧米の若者たちはメロメロに。

ちなみにサーフィンギターとは、
赤色のサーフボードをくり抜いてギターをはめこんだ変形ギター。
(なんちゅう発想だ 小林幸子か)
全重量は6キロ超、
(通常エレキギターは3~4キロなんですって)
肩から下げるとズッシリ重くて、
一曲弾くとヘトヘトになるのだとか。
(そりゃそうだ)
高中さんはワールドツアーのアンコールでこのサーフィンギターを演奏、
会場のファンは、そりゃもう大喜びだったとか。
わぁ、これは好きになっちゃう!
私は金髪でアロハシャツの高中さんまでしかしらないから、
いい感じのおじいちゃんになってるという高中さんの姿に浦島太郎な気分だ。

サディスティックミカバンドとしてのロンドン公演から、
50年ぶりの凱旋ソロ公演だなんて、
とてもすごいことだ。
実力と人気はもちろん、運も要ったろう。
でも、それ以上の何かがはたらいているのではないか。
「彼の音楽から前向きであたたかく穏やかなバイブレーションを感じるんだ」
若いファンたちは口々に言う。
幸せな気持ちになるんだ、と。

ファンのコメントで印象的だったのは、
もっと早く生まれて、
彼の音楽をリアルタイムで追いたかった、だ。
…これ、すごくわかる。
私ももっと早く生まれて、
シュープリームスやテンプテーションズの全盛期を体験してみたかったもん。
(いちばん幸せなのは、50年前のミカバンと今回の凱旋ソロツアーどっちも観たファンだよね)

場違いGUNS N’ ROSES

GUNS N’ ROSES (ガンズ・アンド・ローゼズ 以下ガンズ)
の東京ドーム来日公演に行ったことがある。
というか、連れられて観に行った。
世界的な大人気バンドの全盛期のライブだったのだけど、
私はソフトロックや渋谷系が好きだったので、
ハードロックのガンズをよく知らないままドームへ行った。

当時勤めていたデザイン事務所のロック好きの面々が、
ガンズのチケットが4枚奇跡的に取れたと盛り上がっていたのだけど、
いつの間にか私もライブに行くことになっていた。
誰かが行けなくなったからなのか、
私が音楽好きだからという理由なのか、
どうだったか定かでない。
東京に向かう新幹線の車中で後輩から、
今夜の東京ドームでガンズを知らない観客は高橋さんくらいなものですよ
と言われたのだけど、その通りだった。

いかにもなロックファンが、
今か今かと興奮を抑えきれない様子で待っている。
悪ガキ風のアクセルローズ(ボーカルの人)の登場でライブがスタートして、
一気に総立ちの大歓声。
で、タイミングが遅れて立ち上がる私。
怒涛のヒットナンバー(と思われる)の連続に、
東京ドームはさらにヒートアップ。
スラッシュ(ギターの人)のアルペジオのイントロではじまる曲は、すごくヒットしたから知ってたけど、
私は「ここにいていいのかな」と、
申し訳ないような、うらやましいような、困ったような、
フクザツな気持ちになったことを覚えている。
ドーム公演って、広告看板が目に入って落ち着かないなぁ、なんてね。

…そんなことを思い出して、
GUNS N’ ROSESの当時のアルバム(赤と緑の二枚組?)
をアップルミュージックで聴いてみたら…
かっこいいじゃん!
(あの日に帰りたい)

悲しきテンプテーションズ

もしも私が カフェを経営したなら、
音楽はモータウンサウンドにするでしょう
(小坂明子「あなた」風に)
…というくらい、モータウンサウンドが好きな私。

モータウン25(モータウンレコード25周年記念コンサート)は私が高校生の時で、
日本でもテレビ放映されたのを観てすっかり虜になったのだけど、
昔も今も周囲にモータウンが好きな人は全くいなかった。
グラフィックデザインの専門学校に通っていた時に、
一回りは年上の講師の先生と話が合ったくらい。
モータウンカフェでも経営したら同志に会えるのかしら
なんて思ったりしてね。

25歳くらいの時に大好きなテンプテーションズの来日公演があって、
名古屋の池下にある厚生年金会館に一人で観に行った。
テンプテーションズはモータウンが誇る、
言わずと知れた世界最高のソウルヴォーカルグループだ。
なのに空席が目立っていた。
私はショーのオープニングから立ち上がったんだけど、
見渡せば立ち上がっている人はいない。
全くいなかったわけじゃないけど、
お客さんの9割が着席したままだった。
こういうときはほんと気まずい。
立ち上がった手前、座るわけにもいかないし、
天下のテンプスにこの状況をお見せするなんて申し訳ない気持ちになるし。
前座のバブルガムブラザーズのブラザートムとブラザーコーンが見かねて、
名古屋 座ってんじゃねーよ! テンプスだぞ!って怒ってたけど、
仕方ないよブラザー だって名古屋だもの。
東京でソールドアウトの総立ちアーティストでも、名古屋は勝手が違うの。
名古屋はチケットが売れないしノリも悪い。
それが理由で「名古屋とばし」されちゃうから、
わざわざ東京か大阪まで遠征して観にいかなきゃいけないの!
と、心の中で叫んだ私。
そして、これじゃあモータウンカフェは経営が成り立たないよなって思ったのでした。
(コンサートは最高だったさ)

Ease On Down The Road

ダイアナ・ロスとマイケル・ジャクソンのデュエット
Ease On Down The Roadは、いつ聴いても元気がでる曲だ。

この曲はミュージカル映画「ウィズ」の劇中歌。
オール黒人キャストによるオズの魔法使いの映画で、
30半ばのダイアナがドロシーを、
19歳のマイケルは案山子を演じている。

この映画でマイケルはクインシージョーンズと出会ったわけだし、
ミュージカル初出演のマイケルの演技もダンスも素晴らしいんだけど、
肝心の映画ウィズは大コケした。
マイケルの黒歴史なんて言われるけど、アタシは好き。
マイケルとダイアナが競演している唯一の映画なわけで、
もう、「つきあっちゃいなよ」って応援したいくらい、
マイケルのダイアナ大好きっぷりがかわいい。

マイケルとダイアナは似ていると思う。
Ease On Down The Roadは、
ドロシーと案山子とブリキの木こりと臆病ライオンが、
励ましあいながら黄色いレンガ道を進んでいくシーンで歌われるのだけど、
ダイアナファンの私でも、
ユニゾンのパートでは、どっちがどっちの歌声なのか分からないくらい、
この曲のマイケルの声と歌唱はダイアナに似ている。
頭が小さくて手足が長いし、
佇まいや雰囲気のようなものも似ている二人。

数年後、マイケルはソロとして成功し、
スーパースターへと駆け上っていくのだけど、
歌うことがシンプルに楽しかったのは
映画ウイズと、アルバム「オフ・ザ・ウオール」までだったんじゃないか。
私はスリラー以降のマイケルはほんとうに幸せだったのかな、と思う。

マイケルとダイアナの雰囲気が似ているのは当然かもしれない。
マイケルがダイアナの歌い方やステージでの優雅な動きを研究していたのは有名な話。

ジャクソン5のデビュー前後の一年半、
兄弟達は半々に分かれて
ゴーディ(モータウンの社長)の家と、
トップスターのダイアナの家で暮らしていた。

ダイアナから教わったのは音楽だけではなかった。
ダイアナはマイケルにスケッチブックを渡し絵の描き方を教え、
二人はしばしば美術館に出かけた。
分からない単語や気になる言葉があったら
ノートに書き出すようアドバイスし、
単語の意味や言葉の使い方を説明した。
遊園地やビーチに連れて行き、
マイケルはアイスキャンディ屋に初めて入ったという。
当時マイケルは9歳か10歳。
20半ばの美しく聡明なダイアナとの暮らしは夢のようだったろう。
10年後、マイケルはダイアナとの映画競演を果たすことに。

マイケルは初恋の人ダイアナに、
何度かプロポーズをするんだけど断わられてしまう。
かわいそうだけど、仕方ないよ。
生涯ダイアナを愛したマイケルのことを思いながら
久しぶりにEase On Down The Roadを聴いたら、
元気がでるというよりは、
なんだかこみあげてきちゃう。
ずっと一緒に歩いていけたらよかったのにね。
(カモン! ドロシー!)

Ease On Down The Road
(和訳抜粋)

♪ゆっくり行こう…
ゆっくり…道を行こう!
気楽に進もう
さあドロシー 余計な荷物は置いていこう
背負い込むと重くなるからね
さあ 行こう!

右足を下ろしたら 左足を上げて
(足を止めないで 歩き続けよう 遅れないよう)  
自分の選んだ道を止まらずに行くんだよ
裸足になったくらいで 立ち止まらないでね

だって 時には心が折れそうになる日もある
(どれだけ歩いても 
何歩も遅れてしまったように感じたり)  
時には 道が果てしなく感じることもあるけれど
歩き続ければ きっと大丈夫さ yeah

ああ 生まれてこなければよかったなんて
(弱気になる朝もあるかもしれない)
でも そんな気持ちは長くは続かない
僕たち一緒なら また笑えるようになるよ!

さあ ゆっくり行こう
気楽に 元気を出して
自分の選んだ道をゆっくり行こう
気楽に 元気を出して
自分の選んだ道をゆっくり行こう

***

Ease On Down The Road #1 (From “The Wiz” Soundtrack) – YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=24cMqhCpN98

星の彼方に

私の世代あるあるで、
アンタは橋の下からひろってきたとか、
コメ兵に売るぞとか、
小さな子に親が言う昭和ジョークがあって、
でも、小さな子にとってはジョークがジョークじゃなくて、
「どこの端の下で待っていたら本当の親に会えるのかな」と思っていた。

すこし大きくなってからは冗談だったと理解したけど、
ほんとうの場所に還りたいという思いはずっとある。
現実逃避?
それとも、
魂の故郷へのあこがれ?
星のどこかに私を待ってる人がいる。
いい日旅立ちの歌詞みたいなことを考えたりして。
(星って…何だよ…)

かっこいい70代 その2

月に一度、行きつけの美容室で髪の毛をカットしてもらっている。
ヘアカットと同時に眉毛もカットしてもらうのだけど、
私は髪の毛も眉毛も量がすごく多くて、
普通よりも伸びるのがとても速いようなのだ。
こんなに増えて
先月あんなに軽くなったのに
切った以上に伸びてると、
担当の美容師さんと笑いあってから施術がはじまるのがお決まりで、
ほんと困ったもんやわー
と私は笑って、その場は楽しい。
しかし、10年以上、毎月毎回ともなると、
なんだかなぁ…とさすがに思うようになった。
自分ではどうしようもない身体の事実を、
自虐的に笑うのはもうやめよう。
だって私、かっこいい70代になりたいんだもん。

昔、浅草ヤング洋品店(後にASAYAN)というテレビ番組があって、
レギュラーだったルー大柴さんは、
有名人だろうが一般人だろうが、
相手の身体的な特徴や、
洋服のセンスとかをネタに笑いを取ることがなかった。
そして、自虐的に自らを笑うこともしなかった。
ひたすら日本語と英語のチャンポン(後のルー語)で笑いをとっていた。
私はなんてかっこいいんだ!と思ったものだ。
そしてルーは今でもルーのままでかっこいい。
(ルー大柴さん72歳)

宇宙大シャッフル

今日は忌野清志郎の命日。
清志郎の覆面バンド ラブジェッツを聴いている。

宇宙船クロヌマユミコに乗ってやってきた宇宙人三人組が、
ロックンロールで地球人と交信する、という設定。のバンド。
設定も歌詞もちょっとふざけてるんだけど、
しっかり愛と平和のメッセージを伝えるのが清志郎のすごいところ。
スリーピースのロックンロールでめちゃかっこいいなー。

ラブジェッツでいちばん有名な曲は、
ちびまる子ちゃんのエンディング曲になっていた「宇宙大シャッフル」なのかな。
…これ、日曜のお茶の間で流れていたの?
なんてことだ。
とんでもなくすごい歌詞じゃないか。
清志郎が書いたのかなと思っていたら、
この曲の作詞はさくらももこさんだった。

ああ…。
この偉大な二人のメッセンジャーは、
おなじ星からやってきたのだろう。
愛と平和の、ちょっと照屋さんな星。
地球人がいつまでもバカだから、
クロヌマユミコに乗って還ってしまったじゃないか。

「宇宙大シャッフル」
作詞 さくらももこ
作曲 忌野清志郎

ぼくらが見てた夢は 流線型にシルバーの
カッコ良すぎる未来 宇宙旅行に行こうぜ
月にだって住めるぜ

ブッ壊れたビルを 月が見てるよ
爆破された街で ネコがないてる
何やってんだ人類 どうしたんだ未来

死んだママの横で ボクが笑うよ
逃げられない闇を ハトが飛んでく
ふざけんなよ人類 遅すぎるぞ未来

21世紀には 不可能はないはずだろ? (宇宙大シャッフル)
アースパワーを 全開にするんだ
(ウッ シャッ シャッ シャッフル)
太陽系を 巻き込もうぜ (宇宙大シャッフル)
アンドロメダも 巻き込もうぜ
(ウッ シャッ シャッ シャッフル)
隣のおやじも 巻き込もうぜ
宇宙大大大大シャッフル

血の流れた砂を 風が運ぶよ
引き裂かれた場所で 花が揺れてる
どうなってんだ人類 話がちがうぞ未来

21世紀なら なんでも出来るはずだろ? (宇宙大シャッフル)
アースエナジー  炸裂させるんだ
(ウッ シャッ シャッ シャッフル)
銀河系を 巻き込もうぜ (宇宙大シャッフル)
ケンタウルスも 巻き込もうぜ
(ウッ シャッ シャッ シャッフル)
天才メガネ君も 巻き込もうぜ
宇宙大大大大シャッフル

21世紀には 不可能はないはずだろ? (宇宙大シャッフル)
アース魂 合体させるんだ (ウッ シャッ シャッ シャッフル)
大宇宙を 巻き込もうぜ (宇宙大シャッフル)
ダルメシアンも 巻き込もうぜ (ウッ シャッ シャッ シャッフル)
カワイイあの娘も 巻き込もうぜ

宇宙大大大大シャッフル 宇宙大大大大シャッフル
大大大大大大大大 シャッフル

「地球ノミナサンコンニチハ LOVE JETS ANTHOLOGY」
ラブジェッツ

かっこいい70代

料理研究家の栗原はるみさんが3年前からはじめた趣味はギターで、
NHKあさイチでエレキギターを弾いたらしいんだけど、
曲がザ・ダムドのニューローズだったので、
ロンドンパンクロックファンが狂喜したそうな。
…かっこよすぎる!

ご主人を亡くされた悲しみと失意の中、
偶然に見たNHK SONGSの佐野元春に衝撃を受けた栗原さんは、
アンジェリーナをギターで弾いてみたくてエレキギターを習い始めたそう。

栗原さんが佐野さんに衝撃を受けたというのはわかる気がする。
ある時期に佐野さんは声が出なくなった。
長年のライブでのシャウトで喉を酷使してきたのが原因なのかもしれないし、
ご両親と妹さんを続けて亡くされた頃と重なるので、
その影響だったのかもしれないけれど、
佐野さんは一切弁明しなかった。ステージに立ち続けていた。
私は声が出なくなってからの佐野さんの方が好きだ。

栗原はるみさんがダムドのニューローズの次に練習しているのは
同じくダムドの曲「ニートニートニート」。
ニューローズよりも速い曲じゃん!
(栗原はるみさん79歳 佐野元春さん70歳)

コンガ!コンガ!コンガ!

ピーター・バラカンさんのラジオ番組 ウイークエンドサンシャインの特集が
コンガが入った曲のリクエスト大会だった。

ローリング・ストーンズの悪魔を憐れむ歌、
スティーリー・ダンのドゥー・イット・アゲイン、
サンタナのジンゴ、
カーティス・メイフィールドのムーブ・オン・アップ、
リトル・フィートのディクシー・チキン
ジャコ・パストリアスのドナ・リー

…最高だ!
やっぱりコンガが入った曲が大好き。
コンガが入ると一気にかっこよくおしゃれに聞こえるのは何故なのかしら。

日本のリスナーが嫌がる音のワンツーはハモンドオルガンとコンガで、
ハモンドとコンガが入った曲は売れないジンクスがあるらしいんだけど、
確かにハモンドとコンガの音好きは少数なのかも。
カーティスとかリトルフィートとか友人に貸したことがあったけど、
気持ちいいくらい反応がさっぱりだったっけ。

コンガ…。
日本人の嫌いな音でしたか…。
私、日本人なんだけどな。
顔はおもいっきり和風だし、
見た目も性格も地味なのに、
耳だけラテンなの?
もしくはアフロなの?
まあいいや。
もっかいコンガ特集をラジルラジルの聞き逃しで聴いてやる!

NHK-FM
ウイークエンドサンシャイン ピーター・バラカン
4月25日特集
コンガ!

未来の自分をたすけるために

いしだあゆみさんが去年3月に橋本病(甲状腺機能低下症)で急死した時、
SNSでは「橋本病は死ぬ病気なのか」と驚く声が多かったけど、
長年この病気とつきあってきた私はおどろかなかった。

とてもまれなことなのだけど、
甲状腺の病気は重症化すると急死することもある。
病気に気付かずに未治療のままでいると、
平均より20年寿命が短いなんて話も。
でもこれを言い換えれば、
重症化を予防して、
きちんと治療していけば
寿命をまっとうできるということだ。

しかし厄介なのは、
甲状腺の病気は他の病気と間違えやすいこと。
多汗や動悸、自律神経の乱れ、
疲れやすさや顔や体のむくみは更年期障害と同じだし、
鬱や無気力、イライラなどのメンタル症状が出現することも。
なので婦人科や心療内科を受診してしまい、
甲状腺の病気が見逃されやすい。

さて、甲状腺ホルモンとは何か。
全身の新陳代謝、
体温や心拍数や自律神経の調整など、
生命活動に影響するのが甲状腺ホルモンだ。
このホルモンは出すぎても出なさすぎても良くない。
甲状腺ホルモンが過剰に出すぎて
全身の機能が暴走状態になり手が付けられなくなるのがバセドウ病で、
一方、甲状腺ホルモンが出なくなり
全身の機能低下もしくは循環不全になるのが橋本病だ。
橋本病は甲状腺ホルモンがずっと下がっているわけでもなくて、
バセドウのようにホルモンがですぎてしまうサイクルがある。
フルマラソンを走っている状態と冬眠状態の時期が交互にやってくるのだ。
私はその2つの時期の体重差が最大20キログラムあった。
(42キロ~62キロ 通常50キロ前後)
…これはおかしい。首も腫れてるし。
ということで、当時はまだ珍しかった甲状腺専門病院
神戸の隈病院で診察を受けたのが25年くらい前だった。
以来、生活習慣に気をつける
(昆布はなるべく食べない ストレスためない)で、
甲状腺ホルモン値は正常に保てていたけれど、
60代あたりから注意せよのドクターの言葉通り、
重度の高血圧と、夜中の動悸と胸痛がはじまったのが昨年のこと。
生まれてはじめて死ぬかと思った。
時を同じくして帯状疱疹にもなり、
これはまずいと、近隣の甲状腺専門医に診てもらうようになった。
「今すぐではないけど、ホルモン補充薬ははじめるからね」と言われて、
あー、いよいよだなぁと思う。
25年前の私よ、
今の私をたすけてくれてありがとう。

橋本病を治療中だったのか未治療だったのかは分からないけれど、
いしだあゆみさんが70代で亡くなったというのは私の中では納得感がある。
なんとなく自分は70代のラインだろうなって、
いままで生前整理と生活設計をしてきたところがある。
もしも間違ってすごい長生きしたらそれでいい。
一応、長生きタイムラインの生活設計もたててある。
どっちでもいいけど、
かっこいい70代になりたい。
(今年58)