月別アーカイブ: 2015年7月

ナチュラルでシンプルで身体に優しいモロッコ料理

先週末は名古屋のカフェ、モモさんで
とても素敵なイベントがありました。
モロッコで料理修行をされた奥様、料理家の寺田なおさんと、
私の友人でモロッコを旅した写真家の佐藤加奈さんのトークを楽しみながら、
モロッコ出身のエットハミさんが丁寧につくる宮廷料理をいただく会でした。

現地でもなかなか食べることができない本格的な宮廷料理が、
ここ名古屋で食べることができるなんて!
モモさんのおかげで、すっかりモロッコ料理のファンになった母と私は、
(母はモロッコ料理をつくるようにもなりましたよ)
大喜びでアイメイトのサンダー同伴で参加しました。

野菜とナッツ、お豆がたっぷりで、
ハーブとスパイスの繊細なお味は感動の美味しさです。
モロッコのアイスクリームコンテストで優勝したエットハミさんの
蜂蜜とシナモンの自家製アイスクリームがこれまた!

ナチュラルでシンプルで身体に優しいモロッコ料理とお菓子は、
まさに薬膳。体調が整うのがわかります。
また、ヨーロッパに農産物を輸出している農業大国のモロッコは、
国の方針で農薬を使わないのだとか。
畑の栄養になるように
全てを収穫せず、一部を土に還してあげるなど、
伝統的な農法が大切に守られているというのも凄い。
農法だけでなく療法や工芸も、
イージーにケミカルな処置や処理をしないのだとか。

一昔前なら前近代的だと思われていたことが、
いまや先進で未来的になっているように思います。
食も、農業も、街のありかたも、人との関わりも。
ポートランドやモロッコを考えると、ますますそう感じてきます。

どこかで見たような?

アイメイトのサンダーが、
ドッグベッドで寝ているのを見て(見えてないけど)、
不思議な気持ちになったことがありました。
これ、どこかで見たような…?
そして思い出したことがありました。

20年ほど前、
写真やポストカード、雑誌やカタログの切り抜きを
部屋のコルクボードに貼っていたことがありました。
その時々で気に入ったものを貼っていたのですが、
なぜかL.L.Beanのドッグベッドのイメージフォトをしつこく、
季節ごとにカタログが届くと切り抜いて貼っていました。

帆布のベッドにイエローのラブラドールレトリバーがのっかっている写真。
かーわーいーいー!
冬号は暖炉が背景に写っていたりして。

そして今、そのベッドのうえで、
イケメンのイエローラブラドールが昼寝をしています。
なので、見えてないけど見えてるという具合です。
(暖炉はありません。)

夏の朝ですよ

こんにちは、フムフムです。
熱い日が続いていますね。
いかがお過ごしですか?

アイメイトのサンダーの暑さ対策もあって、
今朝から早朝ウォーキングの再開です。
5時の緑の遊歩道は、
ウォーキングする人たちがどんどん歩いてきます。

「あーれ、久しぶりだねー」
「また会ったねー」
…はい、お久しぶりです~!
何人もの方に声をかけられて、
うれしいなあ~。

オジサンが竹箒で掃く音も、
パー子さん(声が林家パー子さんソックリなのだ)の笑い声も聴こえて来て、
お元気そうでホッとする。
この遊歩道をお世話している町内のみなさんは年齢層が高いのです。

蝉も朝から大合唱で、
登山道みたいにすれ違う人と次々とあいさつをする朝が戻ってきました。

「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」 明川哲也・著

なんと、インパクトのあるタイトル…。
以下は著者の明川哲也さん(ドリアン助川さん)が
このご著書について語られている文の転載になります。

***転載ここから

自著を語る「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」
晶文社刊 ¥2900(税別)

生きていくことを新たに思わせるのは、
偶然の向う側に潜んだ何らかの力を潔く受け入れた瞬間かもしれない。
 たとえば日本を離れてブルックリンでくすぶっていた私が、
大した目的意識も持たずに自殺率というキーワードで
世界保健機関(WHO)の統計を調べ始めた夜である。
 この五年間で自ら命を断った日本人はおよそ十七万人。
旧共産圏を除いた国々では最悪の数字で、
順位だけを見比べるなら男性よりも女性がひどかった。
リトアニア、ハンガリーと並んで世界一である。
これだけ物があふれ、女性誌が盛んにおしゃれを書き立てる国で
なぜこのような現象が起きるのか。
生きていくことが得意だとは言えない私ですら、
コンピュータを前にしてみぞれ雲のように冷たくうなだれてしまった。
 一方で、死なない国というのもあった。
経済的にはいつも窮乏しているメキシコである。
自殺率は日本の八分の一以下。ここ半世紀、ずっと世界最低を記録している。
言うならば、世界でもっとも鬱から遠い国、それがメキシコなのだ。
日本との違いはいったい何なのか。 
 そこで第二の偶然である。
私はメキシコ移民の吹きだまりのような街に住んでいた。
否応無しに彼らと同じ食事をとらなければならない。
まさかと思いながらも、私は毎度の皿の上について素人なりの研究を始めた。
偶然の向う側が、
食と気質について奥深い命題を差し出しているように感じたからである。
 トマト、ペッパー、インゲン豆、カカオ。
半年も調べている内に、
メキシコから世界に広がった食物についてそれぞれ多大な発見があった。
たとえば各国のタンパク質摂取量中に於けるインゲン豆の比率を
自殺率表と重ね合わせた時である。
私は息まで鳥肌になった。
見事に反比例したからだ。
タンパク質を肉だけに頼り、
食物繊維が不足がちな便秘国家はおしなべて自殺大国なのである。
 何かが書けるかもしれない。
ここしばらく心の灯が消えたようになり、
ドリアン助川という通名も捨てて内側に塞がっていた私は、
それらの偶然に押されるようにメキシコ各地を目指した。
そして自分がとんでもない物語の最初の数頁に入り込んだことに気付いたのである。
 私は食べ物からメキシコを知ろうとし、
食べなくては生きていけない人類の、
その根幹部分の秘密に触れようとしていたのだ。
私たちの命の遥か以前から用意されていたある物語。
それは釈尊の悟りのように、
拒みのない普遍性をもって横たわっているように私には見えた。
 この普遍性は
生きることと向かい合うすべての人々に届けなければいけないと思った。
筆名は明川哲也。
データファンタジーという新しい形式の長篇作品である。
そしてその冒険と思索を通じて、
メキシコはひとつの窓になり、
もう一度生きろ、地上はそのためにあるのだと、私にはそう聞こえたのである。  
 
明川哲也

***転載おわり

*「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」
明川 哲也
2003年/晶文社

「くまのプーさん」と黒柳さん

サピエ(視覚障害者用の音声図書ネットサービス)で
「くまのプーさん」を聴いていたときのこと。

私はディズニー版よりも断然、
A・A・ミルン・作 石井桃子さん訳のオリジナル・プーが大好きなのです。
哲学のようであり、老子のようであり、楽しいながらも深いお話と、
そして石井桃子さんの美しい日本語訳が堪能できるのです。

さて、久しぶりのプーさん、音読で聴くのは初めてです。
聴き始めて、音読されている方がやたらと上手くて
あまりにチャーミングなことに心を奪われてしまいました。
サピエは音読ボランティアさんが録音してくださっていて、
みなさん上手なのですよ。
そのなかでも、わー凄いなあーと。
お話にぐいぐい引きこまれて、わかっているのに大笑いしたりハラハラしたり。
この声、あの人に似ている、あの人に似ていると思いながら、
はじめてプーさんを読む子どものように楽しんでいたら最後に、
「昭和42年録音 朗読は黒柳徹子でございました」と流れたではないですか!
えーーーーっ!まさか御本人とは!

ネットで調べましたら、60年前から音訳の奉仕活動をされていたのですね。
当時の録音の裏話を黒柳さんが語っていらっしゃるページがありました。
以下は転載になります。

***ここから転載
点字を扱うには教育を受けないとできないので、
まずは点字の通信教育を受けることにした黒柳さん。
ほぼ点字ができる段階になったときに、
日本で初めて高田の馬場に点字図書館を作った本間一夫館長から連絡があった。
「『聞けばあなたは女優さんだそうだけど、
これからはテープの時代になると思うので、点字ではなくて、
あなたの場合はテープで録音してもらえないか』
と言われたんです。
もちろん、当時はNHKや特別なところにしかテープレコーダーがなかったんですが、
本間先生は、その機械を購入なさったので、先生のおうちに行って
ガラス戸を閉めて録音することになりました。
夏の暑い日にね、外の音を遮るために雨戸も閉め切って、
毛布を被って、その中に電気スタンドと手持ちのマイクを引き込んで、
大きなテープレコーダーに、『クマのプーさん』とか、『星の王子さま』など、
子供用の本がなかったので、そういうのを録音したんですね。
でも、なんせ、すごく暑くてね、
毛布から出ると、あ?涼しい!って言うくらい(笑)。
当時はテープが高価で編集などできないので、
間違えると最初から全部やり直しでね。それが最初でしたね」
「後年、何かの催しのとき、目の見えない男子の高校生がそばに来て。
『小さいとき、“クマのプーさん”を聞きました。うれしかったです』
と言ってくれました。私もうれしくて涙が出そうでした。
ですから『窓ぎわのトットちゃん』がベストセラーになったとき、
最初にしたのは、日本中の200カ所くらいの点字図書館に
自分で読んだテープを寄贈したのです」
***転載ここまで

毎日のように利用している音声図書ネットサービス、
視力を失っても本をたのしむことができるのも、
全国の音声録音ボランティアさんのおかげなのです。
・「くまのプーさん」
Э・Э・ミルン 作
石井桃子 訳
岩波少年文庫

楽しくないからやめたんだよ

浅丘ルリ子さんと小林旭さんのこんな会話がありました。
かつてカップルだったお二人が長い年月を経て舞台で共演したときの対談です。
「楽しみだった酒もタバコもよくやめる事が出来たね。」と浅丘さんが言うと、
「楽しくないからやめたんだよ。」と小林旭さんは答えます
楽しくないからやめたんだ、という小林さんの一言に、
私は「ああ、これは真実だよなあ」と思ったものでした。

楽しくないからやめるといっても、
じゃあ楽しくない職場をやめましょうとか、
楽しくない結婚生活を終わりにしましょうということではなく、
楽しくないちいさな習慣からやめてみましょう、ということなのです。
結果的に職場や結婚生活を、続けることになっても終えることになっても
より自分らしい自分に出会っているはずです。

ほんとうに自分が楽しい、心地いい週刊とはなんだろう?
頭がそう思っていても、身体や、内なる自分が喜んでいないのなら
それは偽物の楽しい週刊かもしれません。

これは楽しくないなあ、心地よくないなあと自覚して、私がやめた習慣は
髪が寝癖のままでパジャマのまま過ごすこととか、
テレビをつけることとか、
いつまでも機嫌が悪いままでいるとか、
甘いものを食べ過ぎとか、
物であふれた部屋で平気でいるとか、etc
それはもうほんとうに些細なことでした。

しかし、些細なちいさな習慣を変えることが、
大きな人生の流れを変えることだったと身をもって知りました。
それまでは大きな流れを変えようとするばかりで、
ちいさな習慣をないがしろにしていたのです。

じゃあほんとうに楽しいこと、心地いいことを選んでいくと…。
早ね早起き 適度な運動 正しい食生活
もう昔から言われているような習慣に
自然となっていたというわけです。

理想をかたちにした街

米・ポートランドに滞在している友人。
ポートランドは、コーヒーのサードウェーブ・ムーブメント(第三の波)の地。
いくつもカフェやコーヒーショップを巡ったそう。
そしてポートランドにはベジタリアンレストランも多く、
専門のお店でなくても、ビーガンのメニューのチョイスがある。
(ビーガンとは、肉・卵・魚・牛乳、それらの油脂や調味料も食べない主義のこと)

ファーマーズマーケットでは、オーガニックな野菜とお肉が(お肉もあるのね)、
そうではないものと変わらないような値段で買う事ができるそう。

ファーマーズマーケットで山羊乳で作った石鹸を買ったとき、
紙袋に入っていた名刺にこんな言葉があったそうです。
「small, local sustainable farming 」
小規模でローカルで持続可能な農業。
small gatheringsという言葉とともに
globalに替わって「small, localという新たな潮流がきていることを
友人は肌で感じてきたようです。

友人は今日、ポートランド名物?
ブリッジを渡、朝の自転車通勤風景を撮りに行っています。
「マウンテンバイク、タンデム(二人漕ぎ用)、リカンベント(仰向け漕ぎ用)
これ通勤?みんな本格装備でまるで市民レースだよ!」
片道四車線のうち一つが自転車専用レーンで、
バスや市電は自転車を積むことをしっかり考えられた設計という、
エコで自転車乗りには嬉しい街。
公共交通網が発達していて、リタイア後に移り住む人も多いとか。
もちろん車椅子の移動も楽々なのは当然のこと。
全米ナンバーワンの、子育てしやすい・犬と暮らせる・食べ物が美味しいetc…街

なぜこのような街を作ることができたのでしょう。
理想郷をもとめて、多くのヒッピー達が移り住んできたのが約40年前とか。
理想のヴィジョンをカタチにしてきた街なのです。

「脳科学は人格を変えられるか?」 エレーヌ フォックス・著

*Bookデータベース・担当編集者より
世の中には楽天的な人と悲観的な人がいる。
ときに、それは人生そのものの成否さえ分けてしまう。
オックスフォード大のフォックス教授は、心理学と脳科学の両面から、
脳の中で何が起こっているかを追究。
楽観回路と悲観回路のバランスが重要だとつきとめます。
そして、そのバランスが遺伝子で決まるのかどうかまでメスを入れました。
驚くべきことに、実際には脳は環境で変化する可能性を秘めていたのです。
ならば、脳科学で性格を変えることはできるのか?
最先端の科学が脳の驚異の世界に誘います。

(フムフムより)
本書では、何歳になっても脳を変えることができるという研究報告や
禅や瞑想の効果や、
それをベースにしたマインドフルネスの可能性も示しています。

フォックス教授の研究の対象として、
俳優のマイケル・J・フォックスの遺伝子分析も興味深いところ。
パーキンソン病を公表し、財団をつくり同じ患者を救うべく活動する彼。
自他ともに認めるオプティミスト(楽観主義者)の彼は、
楽観遺伝子の持ち主ではなかったのです。
フォックス教授は言います。
「わたしの考えでは、
幼少時にその環境に支えられていたことが、
マイケルの遺伝子を最大限に生かして楽観脳を強くし、
楽天的で、逆境でもあきらめない人生観につながったのではないでしょうか」

***本書より引用
「悲観論者は
『問題とは個人の力ではどうにもできないもので、
決して消えてなくなったりしない。悪い物事は、どうやっても起こる。
人にはどうすることもできない。自分でコントロールするなんてできっこない』
と信じている。
 それとは対照的に、楽観論者は、
起きた出来事に自分がある程度影響を与えられると思っている。
彼らは『物事は最後にはうまくいく』という強い信念から行動する。
だから、彼らは決して悲観的にはならない。
たとえ問題が起きても、
それを継続的な困難としてではなく一時的な障害として捉え、
敢然と立ち向かおうとする。
世界をあるがまま受け入れる傾向をもともと持っている彼らは、
自分の未来とは、結局、自分が物事にどう対処するかで決まるとも信じている」
***引用おわり

30年前の昨日、Back to the Future が公開されたそうです。
いまでも彼はスクリーンの役そのままに、
自分の未来を思いと行動で変えていくことを教えてくれているのですね。

*「脳科学は人格を変えられるか?」
エレーヌ・フォックス
2014年/文芸春秋

アーティチョーク

三年前まで住んでいた家の庭の一画で
父と母がちいさな家庭菜園をしていました。
茗荷、紫蘇、小ネギ、パセリなどの薬味になるもの、
ローズマリー、ルッコラ、タイムなどのハーブ。
ほかにプチトマトと、
「料理にちょっとあると便利」というセレクションでした。

そんなある年、私の友人のリクエストで
はじめてアーティチョークを育ててみたのです。
それまでに見たことも食べたこともありませんからね、
できてびっくりですよ。
人の背ほどの高さになって、
てっぺんに巨大なつぼみがドーン。
…これ、食べるのー?
収穫のタイミングもわからず。

結局、友人が来て収穫するまで、
添え木して大雨や台風を持ちこたえたアーティチョーク。
キクイモのようなユリ根のような味も美味しかったですが、
ちいさな菜園で異彩を放つ姿や、
収穫までドキドキしたことや、家族の会話が忘れられないです。