「脳科学は人格を変えられるか?」 エレーヌ フォックス・著

*Bookデータベース・担当編集者より
世の中には楽天的な人と悲観的な人がいる。
ときに、それは人生そのものの成否さえ分けてしまう。
オックスフォード大のフォックス教授は、心理学と脳科学の両面から、
脳の中で何が起こっているかを追究。
楽観回路と悲観回路のバランスが重要だとつきとめます。
そして、そのバランスが遺伝子で決まるのかどうかまでメスを入れました。
驚くべきことに、実際には脳は環境で変化する可能性を秘めていたのです。
ならば、脳科学で性格を変えることはできるのか?
最先端の科学が脳の驚異の世界に誘います。

(フムフムより)
本書では、何歳になっても脳を変えることができるという研究報告や
禅や瞑想の効果や、
それをベースにしたマインドフルネスの可能性も示しています。

フォックス教授の研究の対象として、
俳優のマイケル・J・フォックスの遺伝子分析も興味深いところ。
パーキンソン病を公表し、財団をつくり同じ患者を救うべく活動する彼。
自他ともに認めるオプティミスト(楽観主義者)の彼は、
楽観遺伝子の持ち主ではなかったのです。
フォックス教授は言います。
「わたしの考えでは、
幼少時にその環境に支えられていたことが、
マイケルの遺伝子を最大限に生かして楽観脳を強くし、
楽天的で、逆境でもあきらめない人生観につながったのではないでしょうか」

***本書より引用
「悲観論者は
『問題とは個人の力ではどうにもできないもので、
決して消えてなくなったりしない。悪い物事は、どうやっても起こる。
人にはどうすることもできない。自分でコントロールするなんてできっこない』
と信じている。
 それとは対照的に、楽観論者は、
起きた出来事に自分がある程度影響を与えられると思っている。
彼らは『物事は最後にはうまくいく』という強い信念から行動する。
だから、彼らは決して悲観的にはならない。
たとえ問題が起きても、
それを継続的な困難としてではなく一時的な障害として捉え、
敢然と立ち向かおうとする。
世界をあるがまま受け入れる傾向をもともと持っている彼らは、
自分の未来とは、結局、自分が物事にどう対処するかで決まるとも信じている」
***引用おわり

30年前の昨日、Back to the Future が公開されたそうです。
いまでも彼はスクリーンの役そのままに、
自分の未来を思いと行動で変えていくことを教えてくれているのですね。

*「脳科学は人格を変えられるか?」
エレーヌ・フォックス
2014年/文芸春秋

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