月別アーカイブ: 2016年11月

「11人いる!」 萩尾望都・著

突然ですが質問です。
アクシデントやトラブルに遭った時、
「成功する人」や「成長する人」は、以下のどちらのタイプだと思いますか?

①思いがけないことが起きた時、自分以外(他人や周囲)のせいにしがちだ
 (他責・他罰的)
②思いがけないことが起きたとき、自分のせいにしがちだ
 (自責・自罰的)

答えは①と②の「どちらでもない」。
たとえば、「部下のせいだ」と責任を押し付けるのでもなく、
「私が悪い」と必要以上に自らを責めることもしない。
「じゃあ、どうしたらいいのか」にフォーカスするタイプ。

たとえば宇宙飛行士だったら?
自分や他の乗組員の命に関わるようなアクシデントに遭遇した時、
「あなたの整備が悪かったからよ!」 「なんだとー!」とか、
「なにもかも、この俺が悪いんだ」と言っている場合ではないはず。
きっと乗組員全員が「じゃあ、なにをどうするか」に集中するでしょう。

今回ご紹介するのは、40年前に発表されたSFマンガで、
度重なるアクシデントやトラブルに遭いながら、成長していく若者たちの話です。
舞台は外部との通信すらシャットアウトされた、閉ざされた宇宙船。
宇宙大学の最終試験に、様々な星からやってきた10人がシップに乗り込みます。
合格条件は、10人全員で53日を無事に生き延びること。
なのに10人のはずが、気が付けば11人いる!

誰が11人目なのか疑心暗鬼のなか、次々と宇宙船にトラブルが襲います。
おまけに育った星も違えば、文化も習慣も価値観も(見た目も)皆バラバラ。
メンバーの諍いも次々と発生する始末。さて、どうなる?

いづれは故郷の星の未来を担うことになる、
まさに「希望の星」の彼らに、
必要な要素は何か?を丁寧に、そしてスリリングに描きます。
そして私たちにも、「大きな船の乗組員」であることを思い起こさせるのです。

「11人いる!」
萩尾望都・著
小学館文庫

見守ってたけど、見守られてたがね

地域のボランティアをされている、
シニアの方たちのお話を、ある講座でお聞きした時のこと。

児童の下校の見守りをされている方。
小学校の地域学習のサポートをされている方。
それぞれの形で、児童と関わっている皆さんが、
共通しておっしゃるのは、「見守ってたら見守られてた」こと。

たとえば、いつも下校時に挨拶を交わす児童に、
「おじさん昨日はおらんかったねー」と言われたり、
外出先で若者に声をかけられて。
はて誰だろう?と思ったら、
小学校の地域学習で会っていた、元児童だったとか。

「だでね、悪いことできんのだわー」
わっはっは
これも共通しておっしゃるのでした。

地域の宝とポッカレモン

昨日は近所の荒子公園へ、
中川区の消防団連合観閲式を見に行ってきました。
お目当ては、名古屋市消防音楽隊の演奏だったのですが、
消防団について知らなかったことがいっぱい。

地域で防火・防災、時には消火活動する消防団さん。
名古屋市は小学校区ごとに消防団があり、
ここ中川区は24もの消防団があるのだとか。
伊勢湾台風を経験した名古屋は、防災意識が高いのです。

驚いたのは大学生で結成された大学別消防団があること。
三分の二が男性の学生さん、三分の一が女性の学生さん。
本業や学業をされながらの日々の活動、本当に頭の下がる思いがします。
(学生消防団は火災出動はないそうです)

そして全国に拡がる、消防団のマイスター制度は、
ここ名古屋市中川区が発祥なのだとか。
ちなみにマイスターとは、職人のなかでも親方や名人のこと。
消防技術と、救命に熟知している団員を各団が推薦し、
講習でさらなる高い技術を学んでもらい、
他の団員さんたちに技術を継承する「マイスター」になってもらうもの。
技術だけでなく、より「言葉で伝える力」も大切にした内容になっているそうで、
モノづくりの街ならではだなぁと私は思ったのでした。

ちなみに中川区は、名古屋の中でも小さな町工場が多い地域。
サンダーと街を歩けば、木工所や鉄工所があちこちに。
おそらく工場の親父さんが消防団員だったりするのかな?

観閲式のスピーチで河村たかし市長が、
団員さんたちにしきりに「地域の宝だで!」と言っていた。
そうだそうだ、まさに宝だなぁ。

さて、名古屋市消防音楽隊。
これも国内初のことなのですが、(名古屋は国内初がけっこうあるなぁ)
名古屋の企業であるポッカが、この音楽隊の命名権を買う提案をしたそうで、
その名も「ポッカレモン消防音楽隊」と言うのです。
提供する衣装の色は、もちろんレモンのイエローとグリーン。
なんかいいなぁ~。(ポッカレモンは来年で発売60年!)

野球の人

今日は父の命日である。
故郷の東北楽天ゴールデンイーグルスを贔屓にしていた父は、
三年前のイーグルスが日本一になった夜に旅立っていったのだった。

父との話題は、たいてい野球のことで占めていた。
私は野球のトピックをチェックしたり、
母は父と野球中継を一緒に見ていた。

母も私もソフトボール部だったので、野球は好きな方ではあるけれど、
「わが家の野球の人」がいなくなって、
母と私は、プロ野球もメジャーリーグもすっかり疎くなってしまったのだった。

「野球の時間」だった時間は、
母は好きなコーラスグループの番組を、
私はラジオナイター中継のない静かな時間を。
少しせつないような、自由な時間を過ごしている。

そして、いまや野球の人は甥に受け継がれ、
帰省の時に聞きまくる祖母と叔母なのだった。
なにしろ選手の顔は浮かぶも名前が出てこない。
えーと、アメリカ行ったあの人、誰だったっけ?
「えー、マエケンのこと?!」
いやー、疎くなるにも程があるってものです。

ホリデーシーズンがやってきた

寒くなってきて食べ物がいっそう美味しい。
ソテーした秋鮭にバターをのせて、
茹でたジャガイモといただく幸せといったら!

夏は少し重たく感じて敬遠していた米も、
炊き上がりの匂いからして旨そうなのだ。
しかも最近、東南アジアのジャスミン米を、
カレーや、シンガポールチキンライスを作る時に炊くようになったのだけれど、
このジャスミン米、炊き上がる時の匂いの格別なこと!
母と二人して、まるで温泉につかる時に思わず出てしまうような声で、
「ひ、ひひにほひ~(いい匂い)」なのだった。

「スタバのホリデーチキンがはじまったよ!」
友人からの一報に小躍りする私。
毎年この季節限定のフィローネのサンドイッチを心待ちにしているのだ。
今年のホリデー仕様の紙コップ、デザインはどんなのかなぁ?

気温は下がっていき、食材の美味しさは上向きな冬。
食いしん坊な私のテンションも上向きなホリデーシーズンの到来なのでした。
(あ、アップルパイも食べにいかなくちゃ)