我が家のヒートショック対策について母と話していたら、
母の実家の「お風呂の変遷」の話題になった。
五右衛門風呂は浴槽がまんま鉄だから、入浴中に触れるとアチくてねー、
次に作った浴槽は触れてもアチくないけど、焚き付け式は変わらず、
家の屑籠の紙屑を拾って燃やすシステムだったから、
やましい答案用紙なんかを屑籠に捨てようものならバレちゃうの、
あー、井戸の手漕ぎポンプに竹を割った樋をつけて、浴槽に水を張ってたなー。
そういや、冬は風呂場は寒いもんだったわねー。
そして、母は更に思い出したかのように、
「そうだ、風呂の壁にアマチュア絵描きの叔父さんが絵を描いてたわ」と言う。
私は(それ富士山デショ)と心の中で続きを予測して聞いていたのだけれど、
「ほら、アレよ、ミロのヴィーナス」と言うではないですか!
(ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」なんだけど)
宮城は蔵王の麓の田舎、農家の原始的な風呂場に、
ホタテ貝みたいな貝殻の上の、ほぼ裸のポッチャリ美人…。
私は笑いが止まらなくなってしまったのでした。
「はじめは富士山だったんだけど(やっぱりね)、
ミロの(じゃないんだけど)ヴィーナスになった」そうな。
田舎の農家の風呂場にもあるっていうのが、世界の名画ってもの?
そう言えば、母の父(私の祖父)は、田舎の小学校の校長先生じゃなかったっけ?
大らかと言うか、何というか…。
家族も疑問も持つことなく、湯につかり眺めてたそうな。
「まぁ、こっちも裸だし」と母。そういう問題でもない気がするけどね。
さて、我が家のヒートショック対策はと言うと、
狭い家なので、脱衣室までの戸やドアを全て開けたら、
リビングの温かい空気が流れることが判明。
風呂の湯をかき混ぜると、湯の温度が均等になるように、
こうして家の中の寒暖の差も埋まったのでした。
(寒い日が続きます。あたたかくお過ごしください。)