むかしカリメロという黒いヒヨコのアニメがあったのだけれども、
元々カリメロは、イタリアの洗剤のCMキャラクターだったそうだ。
60年代のイタリアでのCMは、こんなストーリー。
白いヒヨコのカリメロは、産まれる時に卵の殻が割れにくくて足だけ出た瞬間、
巣から水たまりに落ちて、泥で汚れて黒くなっちゃった。
お母さんを探すも「あたしには黒い子はいないわ」と言われてしまう。
ボクが白いヒヨコだったら…。
カリメロは途方に暮れていると人間に助けられる。
あなたが黒いのは汚れているからよ、
洗濯桶でジャブジャブ洗ってもらったら、元の白いヒヨコに!
そこでカリメロの決めセリフ「なんてキレイな洗いあがり!」
…白い子だったの?!そして、こんな切ない話だったとは。
ヨーロッパでは、アニメ化されたイタリア版が大人気、
たくさんの人が悩めるカリメロに共感して、
オランダではカリメロ症候群という用語までできたという。
日本で放映されていたのは、日本版の別物のカリメロで、
私は、かわいい健気なヒヨコ、って印象しかない。
カリメロはチビといじめられるけど、
いつか飛べるんだと、走って走って練習してたっけ。
さて、時代とともに、この洗剤のCMも変化が。
洗濯機の中でぐるぐる洗われてるカリメロは、
「なんてキレイな洗いあがり!」のセリフは変わらないけど、
洗濯後も黒いヒヨコのまま。
これは、人種差別のメッセージと誤解されてはいけないという考えかららしい。
誤解されなくても、差別する心が無意識下で育つことってある。
毎日目にする、耳にするものは、
そんなつもりはないのに? でも影響があるもの。