月別アーカイブ: 2015年12月

見せてくれてありがとう/どちらが好みかという自由

年末ってセカセカして嫌だなと思っていた私。
先を急ぐ人や車にヒヤリとすることもあります。
しかしですよ、セカセカしているのは私だったのね。
こんな投影はよくあります。ほんと、「見せてくれてありがとう」だなぁ。

知らないうちに「セカセカ」や「イライラ」の線路に乗っているものですね。
あれ?このお知らせは?と気がついたら、
「ゆったり」とか「うまくいく」の線路に乗り換えをしようっと。
私は車を運転していた頃に、これに気がついて、
セカセカイライラ運転に出会う率が減りました。

互いの線路は並行に走っていて、
その線路に沿って「魂の向上のための経験」をする。
これは「パラレル世界」とか、「パラレル現実」の理論の例え話です。
パラレルとは、並列、並行という意味です。

並行しているのは、ポジティブな線路とネガティブな線路です。
(ライトサイドとダークサイドという言い方がお好みならそちらで)
ふたつに良し悪しも上下も優劣もなし。あるのはどちらが自分の好みかだけです。
そして自分の望む線路に、いつでも乗り換えの自由がある。

いまどちら?
そして好みはどっち?

「風邪の効用」野口晴哉・著

私が中学生のときに体験した風邪の話。
風邪をひいていましたが、明日の体育がマラソンだったので、これ幸いと、
「もっと風邪を悪化させよう(学校も休もうっと)」とひらめいたのです。

その晩は、思いつくかぎり「風邪悪化対策」をして寝ました。
(どんなことをしたかはナイショ)
しかし翌朝、目が覚めると風邪はあとかたもなく治っていたのでした。
エーーッ!?
しかも体はスッキリ。なんかピッカピカ。
あぜんとしながら(元気に)登校しました。

たしかに晩は相当な風邪だったのです。熱もでました。
積極的に風邪とおつきあいしたので(マネしないでね)、
風邪のプロセスが促進されて、短時間で去っていったよう。
ずいぶん後に、野口晴哉「風邪の効用」を読んで、
「そうだったのか」と思ったのでした。

しかし、あの時なんと無茶をしたことか。
でも真剣だったのよね。もっと他にあるだろう?ということまでも。

*「風邪の効用」
野口 晴哉
2003年/筑摩書房

私がほんとうに欲しいものは

昨年からテディベア(クマのぬいぐるみ)を探していた私。
いままであまり興味はなかったのに、なんだか欲しくなったのです。

本当に気に入ったベアと暮らしたい思いからか、テディベア探しは難航しました。
「これかな?」と自分と相談してもどうも違うみたい。
どのベアにも「No」。
私は探すことをやめて、探していたことも忘れていました。

先日ようやく判明しましたよ。私の内なる私が欲しかったのは、
チューバッカでした。
…クマじゃなかったの?! てっきりクマが欲しいのかと。

スターウォーズの人気キャラクターの一人であるチューバッカ。
私の一番好きな登場人物だけど、なぜにチューバッカ?
あらためて調べてみたら、なるほどと思いました。(wikiより)

ウーキー族は、森林の素朴な生活を好む為、未開人扱いされ虐げられてはいるが、
誇り高く聡明で、また非常に義理堅い。
勇敢な戦士にして、長命で思慮深く、なにより名誉を重んじる。
その存在は畏敬を持って語られ、
ウーキー族を助ける事も、また助けられる事も、大変栄誉な事だとされている。

…この設定、北米先住民へのリスペクトを感じるのは私だけ?
私は深いところからホッとするのを感じて、チューバッカをお迎えしました。

物が増えてしょうがなかった頃、本当は何がほしいのか分かっていなかったな。
本当に欲しいのは物ではなく、象徴する「何か」だったりするものです。

自分にハマる香りはベルガモット

明日は冬至。
これから気温は下がるものの、陽の気は増していく。
赤や黄色の邪気祓い&応援パワーの食材を食べて、
太陽と自分の復活がたしかなものになるよう願う日である。

柚子湯に浸かることも邪気祓い。
苦味のある柑橘の香りを嗅ぐと、
「我に戻る」感覚はないだろうか?
心ここにあらずの、「自分が自分にハマっていない」状態は、
気づかないうちに、邪気の影響を受けやすくなる。

さて。
「自分にハマる」アロマはベルガモットだ。
このベルガモット、精神科医の越智啓子先生がおすすめしているのだけれども、
たしかにハッ!と我にもどる。
ちょっと自分じゃないみたいな感じがする時に嗅いでみよう!

そして、自分が自分にハマっているかどうかの目安になるのは、
「自分のことが好きかどうか」。
(今どう?)

人から道を尋ねられるようになったら

昨日サンダーとあるいていたら道を訊ねられました。
もちろん、お教えしましたよ。

アイメイト協会で歩行指導を受けていたとき、
「人から道を尋ねられるようになったら一人前ですよ」と
歩行指導員さんが言っていました。
…まさか、そんなことあるの?といぶかしく思ったものですが、
それが、あるのですよ。年に5回はあります。

はじめて道を尋ねられたときは「やった!」と嬉しかったです。
「この辺の住人」と思われるほど、余裕に見えましたか?
歩いている姿が、「ごく自然」に映りましたか?
ふふふ。これで私も一人前?

でもね、私に道を尋ねてくれた人たちは、
分け隔てしてない、
ハートがバリアフリーな人ではと思うのですよ。
それもまた嬉しいのです。

「こころの免疫学」 藤田紘一郎・著

「笑うカイチュウ」、「空飛ぶ寄生虫」(ともに講談社)の著者で、
カイチュウ先生こと藤田紘一郎先生。
ユーモアたっぷりに常識を斬る藤田先生の本を読むと、
目からウロコの落ちる思いがします。
上の二冊は衝撃的(笑撃?)ですが、
今回ご紹介する本は、カイチュウが苦手という方も大丈夫です。

・抗菌除菌と清潔を求めすぎた日本人の心と体になにがおこっているのか
・心と腸、心と食の関係
・腸内と社会は相似形
・いま話題の精神神経免疫学とは
・心の免疫(リジリエンス)を高めるには

本来、人間がそうであるように、多様で全体的な内容となっています。
以下に本の目次を転載しました。ピンときた方はお読みください。

***新潮社ホームページより転載いたします

はじめに
第一章 「こころの病」は個性である
「爆発」を繰り返す人/見捨てられる不安とパニック障害/
リジリエンスを引き出す/「降りてゆく生き方」/「爆発」と引きこもり/
愛情でうつは治せるか/うつ病は薬では治せない/自殺の陰に過剰な投薬/
深刻化する「こころの病」/うつ病患者はなぜ増えたのか/
世界一清潔な国が作ったうつ病/こころの不調の多くは個性/
「べてるの家」/こころの免疫力と認知行動療法

第二章 幸せは腸から
投薬やカウンセリング以外の治療法/腸は「第二の脳」/
糞便の量が示す腸内細菌の減少/プレバイオティクスとは/
腸内細菌のエサになる糖アルコール/日本人の食物繊維摂取量/
「日本人がメキシコ人より死ぬ」理由/心理研究所で乳酸菌の研究/
乳酸菌で豚がおとなしくなった/乳酸菌の効用/
セロトニンの九五パーセントが腸で作られている/
ストレスの腸内細菌叢への影響/HPA軸と腸内細菌/
心地よさを記憶する物質/アレルギー性疾患の増加

第三章 こころの健康は食べ物から
「こころの病」を防いでいた日本の伝統食/砂糖がキレる若者を作る/
糖質制限食で体もこころも快適に/脂肪もたんぱく質も脳のエネルギー/
糖尿病とうつ病の関係/スローリリース食品/
ナイアシンが幻覚や妄想を抑える/
ストレス増大時の脳の栄養/コレステロールとうつ病の関係/
油と脂肪/脳機能と不飽和脂肪酸/
脳にダメージを与えるトランス脂肪酸/免疫の低下とトランス脂肪酸/
フライドポテトが腐らない/「こころの病」は栄養で治せるか

第四章 共生する「こころの病」
正気と狂気の境界/バイオフィルム/共通言語で場をつくる/
当事者の力に支えられる精神医療/こころがノーという時/
リカバリーという考え方/精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本/
狂気とは何か/地域精神保健活動の充実/
「富士モデル」/町が大きなホスピタル

第五章 精神神経免疫学とは何か
行動療法の基本概念は「免疫」/「ホメオスタシスの三角形」/
精神免疫学から精神神経免疫学へ/免疫反応をコントロールするには/
こころと体とを結ぶ腸/個体統御システム/脳と体は対話している/
免疫系は脳にも情報を伝える/免疫系情報伝達物質もうつ病を誘導/
ストレスによる内分泌細胞の反応/ストレスによる免疫低下/
こころの動きと免疫反応/プラスのイメージでがんを抑える/
西洋医学の限界と東洋医学

終章 リジリエンスで、「こころの病」から生還
悪循環から抜け出せない/「あるがまま」を引き出す/
「認知のゆがみ」に気づく/リジリエンスを高める
おわりに

参考文献
***転載おわり

*「こころの免疫学」
藤田 紘一郎
2011/新潮社

良薬は口に苦かったり甘かったり/毎日がクリスマスだったら

クリスマスの匂いが大好きな私。
ツリーに下がっているジンジャークッキーの匂いというのか、
シナモンやナツメグ、ジンジャーやオレンジピールなど、
どこか温かみのある冬のスパイスの匂いだ。

好きだと感じる理由があった。
神戸の森雄材(ゆうざい)先生(故人)に
定期的に診察を受けて、漢方薬をいただいていたことがあった。
穏やかで温かく、静かで威厳のある、
私が思い浮かべる「古のメディスンマン」のような先生。
しばらくしてから、中医学の偉大な先生で、
あの、森蘭丸のご子孫だと知った。

私に処方された煎じ薬には、
桂皮(シナモン)、陳皮(柑橘皮)、枸杞子、生姜などがザラザラ入っていて、
コンロで煎じていると家じゅうが、あま~い匂いになった。
わああ、これ、クリスマスの匂いじゃん!
その見た目が「木屑ミックス」なのも好ましくて、
飲むとほんのり甘くて美味しくて、大のお気に入りだった。

漢方はその人の体質にあわせた処方なので、
現代薬のように皆いっしょではない。
友人の煎じ薬は、苦い味だったそうだ。
それが苦くても、美味しかったし、好きだったとか。
へぇ、良薬は口に苦かったり甘かったりするんだな。
そして、自分の体質にあう良薬は、たとえ苦かろうが美味しく感じるんだなぁ。

私がクリスマスの匂いがたまらないのは、体質だったのだ。
毎日クリスマス(の匂い)だったらいいのになあ…。

吉祥寺で迷った私は果報者です

東京・練馬区のアイメイト協会で歩行指導を受けていたときの話。
四週間の泊まり込みの訓練のあいだ、トータルで120㎞をアイメイトと歩きます。
前半は協会周辺や最寄駅までのいくつかのコースを歩き、
後半は電車やバスに乗る訓練をしながら、繁華街やデパートへ出かけます。
後半の訓練場所は吉祥寺、ラストは銀座です。

え? 吉祥寺で訓練だなんて、きいてないよー。
「明日から吉祥寺です」と聞いて、私はニヤニヤしましたよ。
大島弓子先生のマンガの舞台で、お住まいの「チキジョージ」。
チキジョージ、いや吉祥寺は大島ファンにとって聖地のようなとこですからね、
う、うれしいー。
ワタシ25年前に、井の頭公園やロンロンへ聖地巡礼?したほどなのです。

さて、その吉祥寺の繁華街での歩行訓練ですが、
もー、苦戦しました。
さらに、卒業式を終えて帰路につくとき、吉祥寺の駅のだいぶ手前で
釈放、いや解散してアイメイトと駅を目指すのですが、
私とサンダーは、バッチリ道に迷いました。
なんとか吉祥寺の駅までたどり着き、名古屋まで帰ってきましたが、
憧れの場所は「もうこりごり」な感じになりました。

あの時、細い路地に入ったようだ、ということは覚えています。
いま考えると、綿の国星のチビ猫が、
チキジョージで「ペルシャ」を探して迷うシーンを思い出して、
もしかして、モデルとなった路地に入り込んでしまったのでは…?
と思ったら、がっかりな体験が、
まるで勲章のように思えてきました。

自信を持って言える理由

「リチャード・ギアに似ていますね」と言われたことのあるサンダー。
おー、リチャード・ギア! そういえば似ていますよね、たしかに。
私は自信たっぷりに答えましたよ。

三年前の今頃、私は東京のアイメイト協会の訓練所にいました。
サンダーとペアになり、一か月のあいだ歩行指導を受けていたのです。
その年の春からいよいよ最後の視野がなくなってきていて、
秋冬には光が分かるか分からないかになりました。

協会の玄関前の廊下で、基礎訓練をしていた時です。
対面にお座りさせたサンダーをカムしようとしたら、
目が合いました。顔が見えたのです。
んー?
長く感じましたが、ほんの何秒かだったでしょう。
ちょっと困ったような眉の、優しい目をした長い顔。
しっぽを振ってじっと私の目を見つめていました。

不思議な事ってあるんだな…。
神様のはからいに、私は心から感謝をしました。

だから私は、
「サンダーはイケメンです。」と
自信を持って言える訳なの。