良薬は口に苦かったり甘かったり/毎日がクリスマスだったら

クリスマスの匂いが大好きな私。
ツリーに下がっているジンジャークッキーの匂いというのか、
シナモンやナツメグ、ジンジャーやオレンジピールなど、
どこか温かみのある冬のスパイスの匂いだ。

好きだと感じる理由があった。
神戸の森雄材(ゆうざい)先生(故人)に
定期的に診察を受けて、漢方薬をいただいていたことがあった。
穏やかで温かく、静かで威厳のある、
私が思い浮かべる「古のメディスンマン」のような先生。
しばらくしてから、中医学の偉大な先生で、
あの、森蘭丸のご子孫だと知った。

私に処方された煎じ薬には、
桂皮(シナモン)、陳皮(柑橘皮)、枸杞子、生姜などがザラザラ入っていて、
コンロで煎じていると家じゅうが、あま~い匂いになった。
わああ、これ、クリスマスの匂いじゃん!
その見た目が「木屑ミックス」なのも好ましくて、
飲むとほんのり甘くて美味しくて、大のお気に入りだった。

漢方はその人の体質にあわせた処方なので、
現代薬のように皆いっしょではない。
友人の煎じ薬は、苦い味だったそうだ。
それが苦くても、美味しかったし、好きだったとか。
へぇ、良薬は口に苦かったり甘かったりするんだな。
そして、自分の体質にあう良薬は、たとえ苦かろうが美味しく感じるんだなぁ。

私がクリスマスの匂いがたまらないのは、体質だったのだ。
毎日クリスマス(の匂い)だったらいいのになあ…。

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