東京・練馬区のアイメイト協会で歩行指導を受けていたときの話。
四週間の泊まり込みの訓練のあいだ、トータルで120㎞をアイメイトと歩きます。
前半は協会周辺や最寄駅までのいくつかのコースを歩き、
後半は電車やバスに乗る訓練をしながら、繁華街やデパートへ出かけます。
後半の訓練場所は吉祥寺、ラストは銀座です。
え? 吉祥寺で訓練だなんて、きいてないよー。
「明日から吉祥寺です」と聞いて、私はニヤニヤしましたよ。
大島弓子先生のマンガの舞台で、お住まいの「チキジョージ」。
チキジョージ、いや吉祥寺は大島ファンにとって聖地のようなとこですからね、
う、うれしいー。
ワタシ25年前に、井の頭公園やロンロンへ聖地巡礼?したほどなのです。
さて、その吉祥寺の繁華街での歩行訓練ですが、
もー、苦戦しました。
さらに、卒業式を終えて帰路につくとき、吉祥寺の駅のだいぶ手前で
釈放、いや解散してアイメイトと駅を目指すのですが、
私とサンダーは、バッチリ道に迷いました。
なんとか吉祥寺の駅までたどり着き、名古屋まで帰ってきましたが、
憧れの場所は「もうこりごり」な感じになりました。
あの時、細い路地に入ったようだ、ということは覚えています。
いま考えると、綿の国星のチビ猫が、
チキジョージで「ペルシャ」を探して迷うシーンを思い出して、
もしかして、モデルとなった路地に入り込んでしまったのでは…?
と思ったら、がっかりな体験が、
まるで勲章のように思えてきました。