今日は父の命日である。
故郷の東北楽天ゴールデンイーグルスを贔屓にしていた父は、
三年前のイーグルスが日本一になった夜に旅立っていったのだった。
父との話題は、たいてい野球のことで占めていた。
私は野球のトピックをチェックしたり、
母は父と野球中継を一緒に見ていた。
母も私もソフトボール部だったので、野球は好きな方ではあるけれど、
「わが家の野球の人」がいなくなって、
母と私は、プロ野球もメジャーリーグもすっかり疎くなってしまったのだった。
「野球の時間」だった時間は、
母は好きなコーラスグループの番組を、
私はラジオナイター中継のない静かな時間を。
少しせつないような、自由な時間を過ごしている。
そして、いまや野球の人は甥に受け継がれ、
帰省の時に聞きまくる祖母と叔母なのだった。
なにしろ選手の顔は浮かぶも名前が出てこない。
えーと、アメリカ行ったあの人、誰だったっけ?
「えー、マエケンのこと?!」
いやー、疎くなるにも程があるってものです。