実態とイメージの開き/必要は発明の母

アイメイトのサンダーとペアになる前のこと。
外出先で靴紐を結び直していたら、
見知らぬ方に「すごいねー」と言われたことがありました。
どうやら口ぶりから褒められたようです。

最初なにを指しておっしゃったのかも分からなくて、
目が見えない私が靴紐を結んでいることに感心されたのだと、
理解するのにすこし時間がかかりました。
ありがとうございます、とお返事をしながらも、
妙な気分だったことを憶えています。

なぜ妙な気分だったかと、今になって思うと、
健常者の方でも、たとえばエプロンを着慣れている方でしたら、
背面のエプロンの紐をノールッキングで結べますよね?
それを「すごい」と褒められたら変な気持ちになると思います。そんな感じ。

きっと素朴に驚かれたのでしょう。
「お箸使えるんですね!」や、
「洗濯、されるんですか!」や、
「掃除、できるんですね!」というのもあって、
新鮮に驚かれているということに驚くことがあります。(ややこしい表現ですね)
実態とイメージの開きに「へーー!」です。
(もちろん、ご高齢で目が不自由になられた方、他の障害を重複されている方、
突然目が不自由になったばかりの方は難しいと思います。
そして一般の方と同じく、得手不得手があるのは当然ですね。)

じつのところ、視覚障害者は自宅や職場など慣れた空間では、
さほど健常者の方と変わらない暮らしぶりです。
もちろん、慣れや練習がいりますけど、工夫をしながら日常生活してます。
時には誰かの手や目を借りるのも工夫のひとつです。

以前お世話になったリハビリセンターで、
日常で皆さんどんな工夫をされているのか聞いたことがありましたが、
アイデアのあれこれは、じつにクリエイティブ!
必要は発明の母、とはよく言ったものですね。
そして、自らが環境をカスタマイズしていくことは、
その人をイキイキさせるなあと思ったものでした。

さて、今日は10月一日ですね。
いまから衣替えでもしようっと。

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