先日ご紹介しました、
糸井重里さんと矢野顕子さんの対談連載が、
佳境に入ってきて、私はワーオ!ですよ。
矢野さんは糸井さんを、
矢野の脳の延長であり、
矢野の外部装置と例えるほどに信頼しています。
そもそも「これいいよねー」とか、
「これ美味しいよね」という感覚も似ているお二人。
言葉で表現するよりも音で表現するほうが得意な矢野さんが、
言葉で伝えきれないこと、感覚的にしか伝えられない何かを、
糸井さんは「こんな感じ?」と言葉で確認します。
矢野さんは「あー、そうそう、それそれ!」となるのです。
まさに私が思っていること、感じていることはそういうことなの
ときに矢野さんの言葉で、糸井さんが「それそれ!」となり、
共鳴して増幅するかのよう。
お互を引出しあう、なんて幸福な関係なのでしょう。
お二人は「誰とでもこんなわけにはいかないよね」と言います。
そもそもお二人の感覚(言語感覚も)が似ていますが、
それよりも「これは大きいな」と私が思うことは、
矢野さんが主観(自分の思ったこと・自分の感じていること)に、
一瞬一瞬にとても素直で正直だということ。
そういえば、矢野さんはライブで一度として同じ演奏はないなぁ。
思ったことや感じたことに素直で正直というのは、
じつはなかなかに難しいと私は思うのです。
感情だったら、たとえば悲しみを怒りと捉え違いをしたり、
いろんな感情が立ちあがっているのに、
ひとつに囚われて他を見逃してしまいがち。
そして、思ったこと感じたことを適切に表現するのも難しいもの。
矢野さんは「相手に失礼のない伝え方をします」とおっしゃるのですが、
相手に、というそれ以前に、
ご自身のなかの、内なる声や感覚に、失礼のないように接している。
こんな矢野さんを前にしたら糸井さんも、
内なる糸井さんの声や感覚に素直で正直にならざる得なのですね
さて、このお二人の関係は、
心理カウンセリングのエッセンス、すっごーくあるのです。
連載五回目・「ひとりの主観が、もうひとりを呼び覚ます」
矢野顕子は糸井重里の言葉をどうやって歌にするのか? – ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/yano40/2016-05-16.html