カテゴリー別アーカイブ: 地域や福祉

もし名古屋が日本から独立したら

魅力のない都市ナンバーワンは名古屋なのだとか。
「そぉ?」と名古屋に住む東北系の私は思うのだった。

そんなに言うなら独立します
なんて、もし名古屋が日本から独立したら、
どの都市が独立しても困るけど、
どの都市よりも「それは困る!」と慌てるのでは?

例えば、トヨタ車が外車になって、
高速道路や新幹線にはパスポートが要るようになる。
まさに日本の心臓であり大動脈。
モノづくりと、人と物の流れを下支えする頼もしさといったら。
言う相手としては安心で、その間は色々なことに意識せずに済むし、
そして名古屋としても「そうですね」くらいの余裕もある。

表面的な魅力よりも、
日本一のフェアトレードタウンであることや、
米・ポートランド的な街づくりムーブメントといった、
これからのよりよい未来の姿に目を向けている。

…いいなぁ。
安定の頼もしさと、信念を兼ね備えた名古屋。
これが人だったら、私の理想とするところかも。
たしかに、そういう人の魅力は分かりにくいかもしれない。
羨ましさがひっくり返ってのジェラシーはあるのだろうけど、
それも、どこ吹く風の「セルフエスティームの高さ」が…。
そういう人に私はなりたい、と思うのでした。
(セルフエスティームについては、またの機会に書きます)

街も生き物

名古屋の繁華街・栄の中日ビルが建て替えになるという。
ちなみに、名古屋の繁華街は名駅地区と栄地区とある。

私はこの中日ビル界隈でデザインの学生だったり、勤め人だったのだけれども、
その時期の栄から矢場町にかけての変貌ぶりといったらなかった。
まずパルコが、松坂屋南館、後にLOFTなどが次々と建ち、
うなぎの寝床のような店や、小さなトラットリアや、
店の前の赤電話につながれた猫がお迎えしてくれる飯屋は消えた。
っちょっと怪しげだった路地が、若者がワンサカ訪れる場所へと。
しかし、今や人の流れは栄ではなく名駅へと変わっている。

人が新陳代謝するように、街や土地も新陳代謝をするという。
気をためる時期と、放出する時期があり、
例えば、伊勢神宮の隣の敷地にお引越しも、
その役割を代わりばんこにしているという説がある。
…もしかして、名駅と栄はそうやって互いの新陳代謝を助けてきたりして?

さて、中日ドラゴンズである。
監督が代わり、GMも去ることになり、親会社のビルの建て替えの発表が。
これは新陳代謝…だといいんだけどなぁー。

ふだんの くらしの しあわせ

先月、名古屋市社会福祉協議会主催の、
福祉学習サポーター養成講座を受講した時のこと。
日本福祉大学の先生が講演されたのだけれども、
印象的な言葉があった。

『福祉は、「お年寄りや障害者のためのもの」というイメージがあります。
自分とは関係がないと思われがちなのです。
実際は、あらゆる人のものなのですが。』
そんな前置きの後に、
漢字の福祉を、「ふくし」と平仮名にして、
福祉を、こう言い表すことができます、と説明くださったのだ。

「ふ」…ふだんの
「く」…くらしの
「し」…しあわせ
…なるほど。
福祉は「普段の暮らしの幸せ」全般なのか。

そして、こんな質問をされたのだ。
『では、福祉の「反対」、
それは何だと思いますか?』
…うーん、何だろう?
普段の暮らしの幸せが「無い」状況って?
皆が考え込んでいると、こうおっしゃったのだった。

『福祉の反対は戦争なのです。』
思わずハッとした。
参加者からも「ああ」とか「ふうーむ」と声が漏れた。
確かにそうだ。
戦争は、普段の暮らしの幸せとは最も遠い。

普段の暮らしの幸せは、ありふれているようでありふれていない。
自分とは関係がないことだと、目を離したり心を向けないでいると、
知らないうちに「どこにいってしまったのか」になりかねないのだ。

自分の普段の暮らしの幸せを守る。
制度や人権など具体的なことかもしれないし、
穏やかで心地いい暮らしという、抽象的なものかもしれない。
それを大切にすることは、自分のためだけではなく、
ひいては誰かの幸せをも大切に守ることなのかと思ったのでした。

そのイメージから自由になるのか?

もうすぐリオ五輪が始まる。
五輪招致の最終選考で、落選した過去がある名古屋。
たしか私が中学生の頃だ。
この時に決定したのはソウルである。

五輪招致の前には、
あのタモリさんが「名古屋いじめ」をネタにしていた。
この名古屋ネタは、全国的に大流行した。
大都市ぶっているが、大いなる田舎で、
夜は繁華街が閉まるのが早い。
言葉が汚く、名物は味が濃い。
エビフライを最高のご馳走と思っていて、
しかも、えびふりゃあーと言う。etc

言うまでもなく、トヨタを筆頭に、
名古屋や東海地区の製造業が日本を支えている。
なので、下請け工場で働く人が多いのだ。
あまり知られていないが、愛知県には農家さんも多い。
だから夜おそくまで遊んでいられないのだ。
そして、汗水たらして働くので、味付けも濃くなる。
真面目な、手を動かす働き者の街。
ちなみに、えびふりゃあーとは言わんがね。

幻の名古屋オリンピックの年、
名古屋では世界デザイン博覧会が開催された。
私は当時デザイン事務所で働いていて、
仕事で会場に使い走りしていた。
デザイン博は大成功したというのに、
「オリンピックじゃなくて惜しかったね」感があったことを憶えている。

五輪招致失敗と、名古屋いじめが全国ネタになり、
名古屋人(と周辺に住む人たち)は、
なんだか自信を失ったような、
というか、開直ってしまったというか…。
すっかり誤解されてしまった、名古屋のイマイチなイメージを、
逆手にとる「ちゃっかりしたところ」もある。
ああ、土産物を何でも赤味噌味で開発しなくていいのに!

実は名古屋は先進的な街なのだ。
日本で二番目に「フェアトレードタウン」の認定を受け、
世界で1800あるフェアトレード都市の仲間入りをした。
そして、米ポートランドのような街を目指す、
「ポートランドリビング」ムーブメントも広がっているそうだ。

先日、名古屋で悲しいことがあった。
名古屋のラジオパーソナリティが逮捕されて、
19年間続いた人気番組が打ち切りになった。
番組には生電話でのクイズコーナーがあって、
たまに解答者が、農作業の合間の農家さんだったりした。
いまハウスの中です、なんて電話の声がしたりした。

幻の名古屋オリンピック以来のショックが名古屋に走ったが、
もしかしたら、と思う。
名古屋的イメージの呪縛からの解放の風が吹いているのでは…。

逮捕された宮地さんも被害を受けた神野さんも、
地元にとても愛されていた。
私も自分で思った以上に悲しくて、少し戸惑っている。

昔も今も支えているのは荒子衆

当ルームのある荒子は前田利家の出身地。
利家とともに加賀へ移った家臣団は、
荒子の衆、荒子衆と呼ばれ、
前田家を支え、頼りにされていたそうだ。

さて、荒子は盛り上がっている。
前田利家にちなんだ
荒子公園の前田利家 梅園を、
名古屋一の梅園にするべく、地域の人ががんばっているのだ。
梅の大先生をお招きして、梅のすべてを教えてもらい、
地域の人がお手入れをする。
寄付や篤志家の寄贈で、実に見事な梅の木が植えられている。

そして荒子観音の円空市。
毎月第二土曜に立つ朝市は、
*追記・2016年11月より毎月第一日曜日になりました。*
地元の新鮮な野菜や果物、ハンドメイドの服飾雑貨が並び、
気の利いたフードスタンドも揃う。

どちらのイベントにも、
揃いの「荒子衆」と背中にプリントされたハッピやウインドブレーカーを着た、
地域のみなさんが支えている。

荒子公園と荒子観音にでかける私とサンダーは、
正調名古屋弁で声をかけてもらうことがある。
先日の梅園の開会式で、まわりから聴こえる声ときたら、
河村たかしがあちこちに…。
山田昌がここにも…。
なんで声まで似ているのか。

*河村たかしさん←名古屋市長
*山田昌(やまだまさ)さん←名古屋を代表する女優
「まあ一本、まあ一本と、たいがいにしとかなかんよ!
今晩のおかずがわやなってまった。
鎌倉さんもいかんわ。うますぎるもん。」
(名古屋のご当地CM、「鎌倉ハムKウインナー」より)

荒子観音 円空市

追記・円空市開催は、2016年11月より毎月第一日曜日になりました。

当ルーム近くにある、円空仏で有名な荒子観音で、
毎月第二土曜日(追記・第一日曜に変更)に「円空市」という朝市が立ちます。

ハンドメイドの雑貨やアクセサリー、手作りジャム、地元の朝採り野菜が並び、
焼き立てPIZZAやメキシコ料理など、地元のお店が揃います。
朝市というよりは、おしゃれなマルシェ?

昨年冬からスタートした円空市ですが、
とても賑わっている模様。
そして盛り上がる予感。

市民ランナー情報サイトの、「名古屋ランナージャーナル」に、
円空市を目指して走る「お買いものラン」が紹介されていました。

昨年、私とサンダーは、知らずに荒子観音へいつものように出かけたら、
突然(突然じゃないですけど)円空市が立っていました。
美味しそうな匂いのするなか、
誘惑に負けずに完走したサンダーは偉かったねぇ。
(私は誘惑に負けましたけどね)

荒子円空市公式サイト

http://enkuichi.com/

いまさらですが一億総活躍

活躍したくても…という人たちを見てきたからかもしれないけれど、
この言葉は私、なんか居心地悪いなぁ…。

活躍という言葉を「役に立つ」というニュアンスにしているかもしれない。
わたし自信が、視覚障害になって
「人の役にたたない」という思いこみが、
長いこと辛かったのは確かなこと。

役にたつという「思い」は、ときに人を苦しめる。
実際、知り合いの中途視覚障害の方で、
看護士や介護士など、援助する職業だった方は特に、
もともと「誰かの役にたちたい」という思いや願いがあるので、
その葛藤は大変なものに思える。

しかし、徐々に分かってくるものもある。
何か言葉を交わしたり、ただ微笑んだり、相手を思って祈ったり、
穏やかな心地でただ居る。
そんな在り方の人が、すごいレベルで「役にたっている」のではないか?

しかし、この一億総活躍という言葉は、
見るたび(聴くたびですが)、
私はどうも、お腹が重たくなる感じがする。
そしてザワザワとした気分になるのは、「気のせい」なのだろうか?

3月5日~21日「荒子公園 梅まつり」

当ルーム近くの荒子公園には、香りの素晴らしい梅園があります。
梅の花は、荒子ゆかりの武将、
前田利家の家紋のモチーフなのです。

さて、この荒子公園の梅園で、
3月5日から3月21日まで、梅まつりが開催されます。
5日の開会式には、河村たかし名古屋市長が参加し、
名古屋おもてなし武将隊や和太鼓演奏などのパフォーマンスがあるそうです。

この荒子公園は
視覚障害の方も楽しめる「香りの講演」がコンセプトだそうです。
梅だけではなく、バラやクチナシ、キンモクセイなど、
季節ごとの花の香りが楽しめる、私の好きな公園です。

中川区社会福祉協議会にて講師をさせていただきました

中川区社会福祉協議会さんにお招きいただきまして、
中川区のヘルパーすべての方が参加される、月例の勉強会にて
講師をさせていただきました。

アイメイトを使用する視覚障害の当事者として、
視覚障害者をサポートするときのポイントや、
アイメイトについてお話させていただきました。
講演の後半は質疑応答タイムでしたが、
ガイドヘルプ(視覚障害者の外出サポート)のより詳しいポイントなど、
実際に活躍されている皆さんならではの熱い質問をいただきました。

これだけの大きな規模の月例の勉強会は珍しいのです、
と中川区協議会のスタッフさん。
学校の体験学習の開催数も、名古屋の区最多の中川区。
協議会スタッフさん・ヘルパーのみなさんの熱心さから、
ナンバーワンの理由が分かる気がしたのでした。

Dave’s Killer Bread

米ポートランドのデイヴズ・キラー・ブレッドの話。
「デイブのすんごいパン」という名のこのパンは、手にするとずっしりと重い。
ひまわりの種、亜麻仁など、なんと21種類の雑穀が入っているのだとか。
入っているというよりは詰まっているというのか、とにかく噛みごたえが凄い。
そしてなんといっても美味しい。美味しくて体にいい。
当然、グルメでヘルシーな街ポートランドでは人気のパン。
ポートランドから帰ってきた友人からお土産にいただいて、
すっかり大好きになったデイヴズ・キラー・ブレッドですが、
このパンが生まれたストーリーも、またいい。

刑務所から出所したデイヴさんは、
なかなか雇ってくれるところが見つかりませんでした。
(服役の理由はキラーではなく薬物だそうです)
ようやくパン屋さんが雇ってくれて働きます。
「おまえ、パンこさえるの上手いなあ」と親方に褒められるようになり、
デイヴさんはパン作りの才能を開花させたのでした。
やがて独立起業して、
いまやポートランドのホテルや高級スーパーに並ぶ
ポートランド名物パン屋さんになりました。

ロゴもかっこいい。(らしい)
デザインは、ギターピックの中に
ギターを抱えたおっさん(おそらく本人)のイラスト入り。
ああ、なにもかも「ツボ」なデイヴズ・キラー・ブレッドなのでした。