先月、名古屋市社会福祉協議会主催の、
福祉学習サポーター養成講座を受講した時のこと。
日本福祉大学の先生が講演されたのだけれども、
印象的な言葉があった。
『福祉は、「お年寄りや障害者のためのもの」というイメージがあります。
自分とは関係がないと思われがちなのです。
実際は、あらゆる人のものなのですが。』
そんな前置きの後に、
漢字の福祉を、「ふくし」と平仮名にして、
福祉を、こう言い表すことができます、と説明くださったのだ。
「ふ」…ふだんの
「く」…くらしの
「し」…しあわせ
…なるほど。
福祉は「普段の暮らしの幸せ」全般なのか。
そして、こんな質問をされたのだ。
『では、福祉の「反対」、
それは何だと思いますか?』
…うーん、何だろう?
普段の暮らしの幸せが「無い」状況って?
皆が考え込んでいると、こうおっしゃったのだった。
『福祉の反対は戦争なのです。』
思わずハッとした。
参加者からも「ああ」とか「ふうーむ」と声が漏れた。
確かにそうだ。
戦争は、普段の暮らしの幸せとは最も遠い。
普段の暮らしの幸せは、ありふれているようでありふれていない。
自分とは関係がないことだと、目を離したり心を向けないでいると、
知らないうちに「どこにいってしまったのか」になりかねないのだ。
自分の普段の暮らしの幸せを守る。
制度や人権など具体的なことかもしれないし、
穏やかで心地いい暮らしという、抽象的なものかもしれない。
それを大切にすることは、自分のためだけではなく、
ひいては誰かの幸せをも大切に守ることなのかと思ったのでした。