そのイメージから自由になるのか?

もうすぐリオ五輪が始まる。
五輪招致の最終選考で、落選した過去がある名古屋。
たしか私が中学生の頃だ。
この時に決定したのはソウルである。

五輪招致の前には、
あのタモリさんが「名古屋いじめ」をネタにしていた。
この名古屋ネタは、全国的に大流行した。
大都市ぶっているが、大いなる田舎で、
夜は繁華街が閉まるのが早い。
言葉が汚く、名物は味が濃い。
エビフライを最高のご馳走と思っていて、
しかも、えびふりゃあーと言う。etc

言うまでもなく、トヨタを筆頭に、
名古屋や東海地区の製造業が日本を支えている。
なので、下請け工場で働く人が多いのだ。
あまり知られていないが、愛知県には農家さんも多い。
だから夜おそくまで遊んでいられないのだ。
そして、汗水たらして働くので、味付けも濃くなる。
真面目な、手を動かす働き者の街。
ちなみに、えびふりゃあーとは言わんがね。

幻の名古屋オリンピックの年、
名古屋では世界デザイン博覧会が開催された。
私は当時デザイン事務所で働いていて、
仕事で会場に使い走りしていた。
デザイン博は大成功したというのに、
「オリンピックじゃなくて惜しかったね」感があったことを憶えている。

五輪招致失敗と、名古屋いじめが全国ネタになり、
名古屋人(と周辺に住む人たち)は、
なんだか自信を失ったような、
というか、開直ってしまったというか…。
すっかり誤解されてしまった、名古屋のイマイチなイメージを、
逆手にとる「ちゃっかりしたところ」もある。
ああ、土産物を何でも赤味噌味で開発しなくていいのに!

実は名古屋は先進的な街なのだ。
日本で二番目に「フェアトレードタウン」の認定を受け、
世界で1800あるフェアトレード都市の仲間入りをした。
そして、米ポートランドのような街を目指す、
「ポートランドリビング」ムーブメントも広がっているそうだ。

先日、名古屋で悲しいことがあった。
名古屋のラジオパーソナリティが逮捕されて、
19年間続いた人気番組が打ち切りになった。
番組には生電話でのクイズコーナーがあって、
たまに解答者が、農作業の合間の農家さんだったりした。
いまハウスの中です、なんて電話の声がしたりした。

幻の名古屋オリンピック以来のショックが名古屋に走ったが、
もしかしたら、と思う。
名古屋的イメージの呪縛からの解放の風が吹いているのでは…。

逮捕された宮地さんも被害を受けた神野さんも、
地元にとても愛されていた。
私も自分で思った以上に悲しくて、少し戸惑っている。

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