月別アーカイブ: 2017年2月

胸に一輪

近所の梅の花が咲きはじめた。
三部咲きくらいかしらね、と母は言う。
いつからか私は、桜より梅が好きになった。

たしかリルケの作品だったと思うのだけれども、
パリの公園、盲目の物売りの胸ポケットには一輪の花があって、
彼はその花の美しさは見えなくとも、自分以外の人のために胸に花を…、
というようなシーンがあったような。

私はいま思うのだけど、
それはね、彼は匂いを楽しんでいたからじゃないかしら?
ずいぶん昔に読んだので、その花がバラだったか何だったか忘れてしまった。

梅の花の匂いは、ほんと身体が緩むなぁ。
そして、身体が強張っていたんだと気がつくのでした。

さよなら憧れの老紳士

藤村俊二さんが亡くなって、私はなんだか寂しい。
故・ジャック・マイヨールと並んで、
(仏映画、「グラン・ブルー」の主人公のモデル。)
私の憧れの老紳士だったのだ。

インタビューを讀んだり映像を見たり、
周囲の人が語る姿からも、
藤村さんは「ぴったしカン・カン」などテレビにも出ていらしたのを診て、
なんてチャーミングなんだろう、と私は二人が大好きだったのだ。

そういえば、藤村さんとジャックの晩年の容貌は似ている。
雰囲気も近いような。
あまり認めたくはないのだけれど、
亡き父も似てなくはない。(口ひげはないけど)
いやいや、違う違う、
似てません!
(さよなら、藤村俊二さん)