「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」 黒川伊保子・著

性別や年代によって好む音や語感があるという話。

下記は以前サピエで聴いて興味深く思った本です。
「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」 黒川伊保子(著) 
筆者は人工知能の開発をしていた、脳のスペシャリスト。
以下は簡単に私がまとめた内容です。
脳から感性を、また心理を知るのに役立つ本かなと思います。

***フムフムによる要約

言葉を口に出すと、口腔や鼻腔に物理的な刺激がありますよね。
喉や舌・唇の動き、息の速度や角度が言葉の一音ごとに違います。
私たちは音の共鳴体として言葉を体感しているわけです。
例えば、S音は爽やかさや、微かな湿り気や風の通る感じを
K音は硬さや強さ、乾いたドライ感を体感しています。
これは、口にするだけでなく、耳から聴いても、文字を見ても想起される、
人類共通で、世代も男女差もない、
潜在的に脳に訴えかける感覚です。

しかし、性別によって、その性別の年代によっても、
心地よく感じる音、癒される音は違うのです。
よく好んで、又は無意識に口に出している言葉や音が変化したのを、
ご自身の経験や、お子さんを見ていて感じたことはありませんか?
それは、脳の発達のプロセスによるものです。

12~25才くらいの若い男性が、一般的に好む語感として、
例えば、ガンダム、ゴジラ、ガメラなどがあります。
この語感には、力強さや迫力、膨張といった感性の質があります。
この時期は、男性ホルモンであるテストステロンが分泌される時期。
彼らの脳はこの濁音に癒されているわけなんですね。
(ハードロックやヘビメタ聴いたりも同じかな? フムフム)

一方、女性はというと…
M音やP音のプーさん、ミッフィー、ムーミン、プリンなどの
語感に癒されていた女の子が、
初潮が始まり、女性ホルモンが安定するまでの時期(12~25才くらい)になると、
キティ、サンリオ、セブンティーン、ディズニーシーなどへと変化する。
S音は爽やかさや風の通るような体感と上記に書きましたが、
思春期の女性は、毎月の生理前の不調(膨張感やイライラ)や、
時に面倒に思える親の干渉を、これらの語感で癒されているわけです。
ちなみにこの時期の女性は、同年代の男性が好む語感が
憎らしいほどに疎ましい(生理前の膨張感で膨張の音はね)。
しかし女性ホルモンが安定する時期になると、この語感にタフになり、
ブルガリ、プラダ、バーバリーなどの語感も好むようになるそうです。
その後も、男女ともに年代で「脳の感性の質」は変化していく。

***要約おわり

…なるほど。
癒される音や語感は男女によっても、年代によってもちがうわけですね。
個人差もありますしね。
(男女脳や年代別の脳の感性の違いは、著者の他の本に詳しい)
脳の感性が違うなら、それぞれに色々と違って当然だよなあ。
しかも流動的なものであるのなら尚更ですよね。

*「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」
黒川 伊保子
2003年/新潮社

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