驚くべき人

長らく私は「正直さ」を思い違いしていたものでした。
本音トークや、ぶっちゃけ話、
感情をストレートにだす。
何でもあけすけな人が正直なのね、と。
さあ、私もオープンにならなくては!

…それも正直さではあるのだけれど、
もっとなにか違うものがあるのかもしれないなぁ。
そんな風にぼんやりと思っていたのです。

何年も前になりますが、いろんな人が気づきをシェアする集まりやワークに、
参加したり立ち会うことがよくありました。
死や病気、人間関係、事業のことetc.
自らのことだったり、家族や大切な人のことだったり。
皆それぞれの淵に立っていました。

そこで驚くような人が中にいるのですね。
借り物ではない自分の言葉で、
寡黙な人は懸命に、いつもは流ちょうな人も訥々と語ります。

疑いのなかった自分の優しさや正義に裏があったと知ったとか、
不幸な自分に酔っていたことに気づいたとか、
自分のニセモノや嘘っぽさに気づいたと、語る人たち。
肩から荷を下ろしたかのように、これで楽になったと語る人も。

ここで語られる内容は、
巷で言われるポジティブシンキングや、自分さがしとは、
どこか違う質を感じました。

そして驚いたのは、自分の真のニセモノさや嘘っぽさを受け入れた人は、
内面から輝きのようなものが現れてくる、ということ。

後に、自己一致や自己開示など心理学概念を習うことになって、
浮かぶのはあの驚くような人たちの姿なのでした。

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