先日、ゾウの「はな子」が死んだとニュースで知った。
はな子の一生や、悲しい事件については割愛(悲しすぎて書けない)。
はな子は漫画家の大島弓子先生の作品に登場していた。
セーラー服を着た、おさげ髪姿の少女に擬人化されて、
コンクリートの壁に向かって、ただ立っていた。
巨大な体の「少女」は後姿のカットしかなかったような。
はな子の繊細な性格や、
それ故に起きた二度の事件は説明はなかったが(たぶん)、
ただ数コマに描かれているだけの、
「後姿のうつむいた少女」の姿に、
私は胸がしめつけられるような思いがした。
(そのカットには「タイの密林」という言葉が、
はな子の独白のように何行も並んでいたような)
はな子の死の報道に、
そのカットを思い出しては泣きそうになっている。
そして、はな子に心を傾ける
当時の大島先生の心情にも、
私はせつなくなったことを覚えている。
(はな子 安らかに)
*「サバの秋の夜長」
大島 弓子・著
白泉社