どこの誰かは知らないけれど

いつもの並木道を歩いていると、
急にアイメイトのサンダーが立ち止まって、先を進まなくなった。
私の「ゴー(進め)」のコマンドにも、サンダーは頑として動かない。
ゴー(シーン) 
だからゴーだよ(またまたシーン)

どうしたの? 何かあるのかな?と考えていたら、
「訓練中ですかー?」と声がして、
道路を挟んだ向こうから誰かが駆け寄ってきた。
声で性別と年齢はだいたい分かるのだけれど、
若いお兄さんが、たぶん明日くらいから工事がはじまるみたいで、
ここ通行止めになってるんです、と教えてくれた。
盲導犬の訓練中なのか?と私とサンダーを眺めていたら、
(沿線に中部盲導犬協会さんもあって、私も訓練士さんぽいのか間違えられる)
そうじゃないかも、とわざわざ道を渡って教えにきてくれたようだ。
私はお礼を言ってサンダーと引き返す。

引き返したはいいけれど、いつもと聞こえる音がなんだか違う…。
どうやら引き返した時に私が方向を勘違いして、脇道に入ったようだ。
通りかかった人に声をかけて「ここはどこですか?」と聞いてみた。
「ここは線路下をくぐった先でね、
それなら大通りまで一緒に行くよ」とオジサンは言う。
オジサンは大通りにでたら、「ここだよ、じゃあね」と言い去っていった。

もう家に着いたけど、これじゃ歩き足りないなあ…。
再びサンダーと歩き出したら、
「雪ふってきてるよ!」とすれ違ったナイスミドルが教えてくれた。
…ほんとだ、チラチラ降ってきてる。
雨みたいな雪を頬に当たるのを感じながら、私とサンダーは家に帰って来た。

なんだか困ったり迷ったりしたけれど、うれしかったな。
冷たい日だったけど、道行く人たちは温かいね。

どこの誰かは知らないけれど」への1件のフィードバック

  1. 25日にこちらのコメント欄にメールくださった方へ。

    入力いただいたメルアドに返信しましたが戻ってきてしまいました。
    すみません、以下のアドレスにメールくださいますか?

    info@hum-hum.jp

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