バイト代で初めて買ったCDは、アレサ・フランクリンだった。
グラフィックデザインの専門学校の卒業制作に、
アレサの60年代のヒット曲のタイトル名を拝借してしまったくらい、
田舎の二十歳には、アレサの歌声はヘビー級パンチだった。
アレサが「フリーダム!」と叫べば、
アタシもコーラスのレディたちと一緒に「フリーダム!」と叫び、
アレサが「敬意よ!」と叫べば、
アタシも「敬意を!」と叫ぶ。
駅に降りて、暗い田んぼ路を自転車で激走する。
ウオークマンのイヤホンからアレサが励ましてくれた。
アレサの訃報記事を讀んで、
アレサは、公民権運動と女性解放運動の「顔」だったことを知った。
知ったアタシは驚かなくて、
「「「「それはそうだろう!」と思ったのでした。