定年退職した父は戸惑っていた。
仕事人間だった父は、職場の他に行く所も思いつかなくて、
スーツの他に、毎日どんな服を着たらいいのかサッパリ分からなかった。
そこで、私は父に服をいくつかプレゼントして、
何通りかの決まったコーディネイトをしてあげた。
すると、父のお出かけがグーンと増えたのだ。
赤や黄のチェック柄のシャツを着たり、
高オンスのデニムやチノを履くようになった父は、
「かっこいいですね」とか、「似会ってます」と、
また見ず知らずの人に言われたんだ、と嬉しそうだった。
服で、見た目も気持ちも行動も変わるんだなと、私は驚いたのでした。
さて、前置きが長くなったけれど、
私の長年の友人でもある、写真家・佐藤加奈さんの写真集が出ました。
世界に一枚きりの派手なシャツ着た、
フツーのオジサンや、フツーじゃないオジサンたち約100名のポートレート集。
人物をよりカッコよく撮る、写真家の佐藤さんと、
人物をよりカッコよくスタイリングする、スタイリストの谷山伸子さん。
長いつきあいの二人のタッグにかかれば、
クールに! ちょいワルに! カッコよく大変身!
港街・神戸の魅力もたっぷり!
楽しくて見飽きない!と評判の理由は、
服が、スタイリングが、ロケーションが、
そして、自信のようなものが人を変える瞬間を切り取っているから。
*内容(ookデータベースより)
60年の東京生活後、神戸へ帰った画家・岡田が見たものは、
家から出ようとしないじいさんたち。
「こんな素敵な街でなんてこと!世界に一枚きりの派手なシャツ着て街へ出よう!」
これに賛同したシャツテイラー・浦上と中高年、その予備軍たちで作った本。
“歳は楽しく遊びながら取ろう!”
・『エエマイシャツを着た男たち』
岡田嘉夫(シャツデザイン) 佐藤加奈(フォト)・著
出版ワークス/2018.11.27