佐野元春になれなくて

しまった。見逃した。
いつもはパスしてた紅白だけど、
佐野元春が出るので楽しみにしていたのに何てことだ。
でも、桑田氏の企画の中の一人だったようなので、まぁいいか。

佐野元春の曲をはじめて聴いたのは中学生の時だった。
クラスメイトにすごい美人さんがいて、よくレコードを貸してくれた。
大瀧詠一、大瀧さんのナイアガラトライアングル、そして佐野元春も。
その美人さんはテストで満点を取るような頭のいい子で、とても大人びていた。
一方私は見た目がおサルみたいな、
授業中に教科書にパラパラ漫画を描くようなアホの子で、
なんで仲良くなったのかが不思議なんだけど、
「これいいね」という心の琴線が同じだったのが理由かもしれない。
教室や廊下の端っこで、他の子が聞いても分からない話をしていた。
とにかく私たちは少数派だった。
でも、今の世界や日本のコロナ/ワクチン問題を思うと、
私は自分が多数派で安心するような子じゃなくて良かったと思う。
いや、
多数派で安心できない子だったから佐野さんの作品が好きになったのかもしれない。

佐野さんについて話を戻すと、
私は佐野さんはロック界の詩人だと思っている。
散文詩のような歌詞が多いのだけれども、
「情けない週末」の歌詞とかね、
何手ことない言葉の連続なのに、まるで映画のシーンを観てるみたい。
佐野さんの言葉はテンポがあって、ビートをのせるだけでロックになる。

佐野さんがDJしてたラジオや、文章やインタビューは大好きだった。
あの日本語と英語がチャンポンな語り口と、
クスッとさせる小さなジョークに、気の利いた例え話。
タフでクールでヒューマンタッチ(←「ハッピーマン」より)
は永らく私の理想とするところ。
かっこいい大人って、こういう人なんだ。
佐野さんが影響を受けたランボーやバロウズやサリンジャーを読んでみたものの
「…よく分かんない」な私だったけど、
本気で佐野元春になりたい(文体とか語り口とかセンスとか)と思っていた。
でも、すぐにあきらめた。この人はなりたくてなれるもんではない転載だもん。
私は文章が下手っぴだし、
赤いネルシャツも彼ほど似合わない。
じゃあ、ガラスのジェネレーションの歌詞で
「つまらない大人にはなりたくない」ってあるから、
せめて「つまらなくない大人になろう」、と誓ったのでした。
(今日は成人の日なのね。
「ポーラスター」と「約束の橋(ライブ)」を贈ります。)

佐野元春 & THE COYOTE BAND「ホ゜ーラスタア」(HDフルバージョン) – YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=EU0Qj_jAXeo

約束の橋 – 佐野元春&THE COYOTE GRAND ROCKSTRA (DaisyMusic Official) – YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=QrRJtzzoGdI

「ポーラスター」作詞・作曲 佐野元春

その心の糸を張り替えて
新しい歌を今、奏でよう
ふたり 嵐の中で精一杯
でも なんとかやっていけるだろう

ときどき夜空を見上げてごらん
いっぱい星が君を照らしているよ
あの星の瞬きを胸に思えば
ひとの営みは小さいよ

ほら、見上げてごらん
冬の星空
あれはポーラスタア
二人の行方 見守るように
瞬きを繰り返している

どんなに求めたって
つかめないものある
心のトゲを抜きさって
その涙をぬぐうのさ

いい時も そうでない時も
時の運河を渡ろう
あるべき理由で あるべき場所に
たどり着くまで

ほら、見上げてごらん
冬の星座
あれはポーラスタア
二人の行方 見守るように
瞬きを繰り返している

その心の過去にとらわれて
未来を消さないで
いつだって君の好きなように
命燃やせばいい

太陽が眠っている
陽の射す丘のその陰で
真実はきっと
君がほしいとき
いつもそこにあるよ

ほら、見上げてごらん
冬の星空
あれはポーラスタア
二人の行方 見守るように
瞬きを繰り返している

いつの日かそっと
結ばれてゆくふたりさ
そのうちだれもが気づくだろう
祝福の瞬間
世界中

その心の糸を張り替えて
今から静かに支度しておこう
その日が来たら
何もかも
すべてうまく動きだすように

ほら、見上げてごらん
冬の星空
あれはポーラスタア
二人の行方 見守るように
瞬きを繰り返している

ほら、見上げてごらん
冬の星空
あれはポーラスタア
二人の行方 見守るように
瞬きを繰り返している

「約束の橋」作詞・作曲・編曲 佐野元春
君は行く 奪われた暗闇の中に とまどいながら
君は行く ひび割れたまぼろしの中で いらだちながら
いつか孔雀のように 風に翼を広げて
西の果てから 東の果てまで 休みもなく 車を走らせてゆく

君は踊る 閉じたバラのつぼみの前で 背伸びしながら
君は踊る くるおしくミツバチの群れを すり抜けながら
いつか燕のように 風に翼を広げて
街の果てから 森の果てまで 振り向きもせず 車を走らせてゆく

今までの君はまちがいじゃない
君のためなら 七色の橋を作り 河を渡ろう

君は唄う あわただしげな街の中を かたむきながら
君は唄う 焦げた胸のありのままに ためらいながら
虹の橋のたもとで 河の流れを見つめて
月の岸辺から 燃える砂漠まで 終わりのない夜を くぐり抜けてゆく

今までの君はまちがいじゃない 君のためなら橋を架けよう
これからの君はまちがいじゃない 君のためなら河を渡ろう

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