どうしているのだろう?
いま、ボーダーのバスクシャツを新調しようとしているのだ。
フランスの超定番のボーダーシャツは、長く着込むほどに味が出て肌に馴染む。
10年20年は着る人がいるくらい丈夫で、
実際、私は20年ぶりに、このボーダーシャツを新調するのだった。
…私は20年後にも袖を通しているだろうか?
ふと父のポロシャツを思い出す。
亡くなる年の父の日に、私が贈ったものだ。
「おー、いいねぇ! これは来年の夏に着よう」
と父は、タンスの奥に仕舞い込んだ。
そしてポロシャツに袖を通すことなく、その秋唐突に亡くなったのだった。
「百歳まで歩く」という本を愛読し、
百歳まで生きて歩く気マンマンだった父は、
25年も前倒ししてしまうとは思っていなかったに違いない。
20年後もだけど、
今の自分を大事にだよなぁ…。
長い付き合いになる相棒シャツを選びながら、
思ったのでした。