「フランス人は10着しか服を持たない」/「服を買うなら、捨てなさい」

どちらもベストセラーでロングセラーの本。
遅ればせながら、サピエ(音声図書)で読む。
そして、ただいま服をお片付け中である。

二冊に共通する内容はいくつかある。
たとえば、「お洒落な人は服が少ない」。
自分は何が好きで、何が似合うのか知っているので、
しっくりこない物は持とうと思わないから。

そこで服の整理を始めたのだけど、
誰ですか、あんまり服を持っていないってブログに書いたのは。
保管場所が分散しているから分からないけど、随分多いじゃないか。
これは認識違いだったなぁ。

そしてもう一つ気がついたことは、
気に入った服ほど着ていないこと。
まるで一軍を温存するために二軍を使うような、
もったいないから着るのは先延ばしというのか。
次第に「いま着たい」気持ちは薄れ、体型は変わり、
やがて服はさほど着ることなく寿命を迎えるのだった。
あれ?もったいないのはどっちなのかしら?
これって「いまを生きていない」感じがするなぁ…。

ここまで書いて思いだしたことがある。
二十代に校正の仕事をしていたときのことだ。
「いつも同じ服着てる」と同僚に言われたことがあった。
私は気に入った服を、週二回三回はを着ていたのだ。

この一言が原因だったのかは分からないけれど、
その後は服のバリエーションを気にするようになり、
かくして、お気に入りほど着る頻度が減っていった。
そして、お洒落に自信がなくなって、
どんどん服や靴ばかりが増え、
増えたというのに、お洒落とは遠ざかっていったのだった。

いま思えばなんてことない一言だけれど、
ひそかに「お洒落好敵手」と思っていた相手だけに、
余計にこたえてしまったのかも。
そして、あの頃はDCブランドブームを経て、
「お洒落な人は服をたくさん持っている」という風潮が始まった時代だったのだ。

…わぁ、そうだ、そうだったなぁ。
よかった。思いだせて。
なんだか気が楽になった感じ。

二冊の本に共通して書いてあることだけれど、
ミニマムなワードローブ、ミニマムな暮らしを目指すことは、
自分は何が好きで、何がしっくりくるのか見つめる作業だ。
よく言われることで、私も実感することだけれど、
お片付けはとてもパワフルな、「いまを生きる」レッスンだ。

ちなみに、フランスの一般的なクローゼットのサイズは、
幅が1メートル満たないのだとか。
私の部屋の作りつけのクローゼットと同じサイズではないですか。
引っ越した時、あまりのクローゼットのコンパクトさに途方に暮れたけど、
今では「なんてラッキー!」と喜んでいる。
このサイズのクローゼットに納まるほどの、
「一シーズンに10着」を目指してチャレンジだ。
ちなみに、上着類・下着や靴下・靴・バックなどはカウントしないそう。
この数、「実際にそうなのかも」というリアルさと、
「これならできるかも」という目安が感じられるのだった。

・「フランス人は10着しか服を持たない」
ジェニファー・L・スコット ・著/大和書房

・「服を買うなら、捨てなさい」
地曳 いく子・著/宝島社

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