「共感疲れ」を考えてみる

東日本大震災から「共感疲れ」が知られるようになった。
自分が直接に被災したのではないのに、
被災した方の痛みや悲しみを感じて、心や身体に不調がでる現象だ。
長いあいだ、共感する感性が大切にされてきた日本の社会では、
「感じる能力」が備わっている人も多く、共感疲れをおこしやすいという。
(ちなみに、共感力が要る職業のひとつであるカウンセラーやセラピストは、
この共感疲れを防ぐためのトレーニングを受けます)

毎日のように、事件や災害の映像を目にする社会に生きている私たち。
自分の心のなかに「幼い子」がいることをイメージしてほしい。
私たちが映像を見て平気でも、心のなかの幼い子はどうだろうか?
幼い子は「今おきていること」と「過去おきたこと」は区別できるだろうか?
また、「ここでおきたこと」と「遠くでおきたこと」の区別は?
それから、「自分におきたこと」と「他人におきたこと」の区別もどうだろうか?

まるで幼い子のような自分の無意識は、
今と過去、ココとソコ、自分と他人の区別がはっきりしていない。
たとえば、こんな風に言い聞かせて区別をしてあげてもいい。
「過去に遠いところでおきたことで、自分に直接あったことではないんだよ」と。
そして、心を「いま・ここ・自分」に戻して、
ほら、安全でしょ?と落ち着かせてあげよう。

もし、理由の分からない疲れを感じている人がいたら、
試しにテレビやネットニュースから一か月ほど距離を置いてみては?

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