秋の夜長

今くらいの時期だったと思うのだけれども、
本屋から出たら日が暮れていた。

もう外が真っ暗になってるなんて思ってなかったものだから、
ここどこ? 夜更け?それとも夜明け前? 
一瞬、夢から醒めたばかりの寝ぼけた人みたいになった。

冬の匂いに、秋の虫の音が混ざった駐車場を歩いて、
遠くに停めた自分の車に向かう。
ふと振り返ると、本屋のガラス窓から灯りが漏れていて、
やけに綺麗で、夢心地でポーと眺めていた。
おかしいな、いつもの本屋なんだけど?

秋の夜長は、ドリーミングな音楽が聴きたくなる。
そして思い出すのは、あの日の光景なのでした。

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