とかく日本は生きづらい?
白杖で歩いていた頃、左右に振る杖が危ないと怒られたことも、
サンダーと外出すれば、犬が可哀そうとなじられたこともあった。
私は10年前に訪れた北京を思い出す。
電車やバスに乗り込むや、
こっちゃ座れとオバアチャンやオッチャンから席を譲られた。
外を歩く、白杖を持った私を見つけるや否や、
店員さんが店の中から飛んできて、
店の外に出ている商品の入った箱を蹴り飛ばし、
あっという間に、私が歩くスペースを空けた。
10年前のことだから今はどうか分からないけれど、
道行く北京の人は前を見て、歩き携帯の人もいなかった。
地元の人に人気の海鮮レストランでは、
ウエイトレスのお嬢さんたちが私と友人のテーブルを取り囲み、
私の口に、アーンとばかりに肉包みパンを運ぼうとした。
店の玄関階段をお嬢さんたちに抱えられるように降り、
チップを渡そうとしたら、ダメダメ!と受け取ってくれない。
私が謝々 再見 と言うと、
彼女たちの覚えたての英語、you are welcome!と
はじけるように、皆で一斉に言っては、
キャキャと笑いbye bye!と手を振った。
ウイグル料理店では、給仕で働いていたウイグルの子どもが、
食事を済ませた私が、店のドアに向かおうとしたとき、
いつでも私を抱きとめられるようになのか、
私を見つめ腕をひろげては、私の前を後ずさりしていた。