先週のことになるのだけれども、
「今日は一日、クイーン三昧」のラジオオンエアを聴いた。
…いい曲いっぱい。
なんか、最近にない音がしてると思ったら、オンエア全てがレコード音源だった。
ふくらみのある豊かな音。
レコードに馴染みのない、若いリスナーなのか苦情があったようだけど、
レコードならではの針飛びや、
針の回る、プチプチ聴こえる雑音も懐かしい。
そして、
素晴らしいフレディの歌唱に、私は惚れ惚れとしたのだった。
4オクターブの声域と言われたフレディだが、
数年前に、驚きの研究結果が発表された。
最新の技術を駆使した、科学的な解析によると、
「やっぱりフレディ、普通じゃないわ!」と思いきや、
なんと、一般的な成人男性並みの声域だったと判明したのだ。
エーッ!?
短髪のマッチョ姿のフレディしか知らなかった私が、
長髪の王子様だった頃のフレディの姿お見た時も、
それはそれは驚いたものだけれども、
フレディが、ごくごくフツーの声域の持ち主だったなんて!?
じゃあ、どうやって、あの超人的な歌唱が実現したの?
研究チームによると、フレディの喉の使い方に秘密があって、
ビブラートの揺れがかなり特殊で、高速かつ複雑なものだという。
また、フレディの話す声や歌う声は、
高い声でも低音も同時に鳴っていることが分かった。
これは、ホーミーの歌唱法と同じで、
地声の他に、倍音が加わっているということ。
通常は発声に使われない、声帯のヒダの部分さえも音を発しているというのだ。
…そうだったのかー!
野球のピッチャーみたいに、球が速けりゃいいってもんでもなくて、
意外と声域や声量に恵まれた歌手が、
一本調子で、聴いていて面白くないってことがある。
声が綺麗なだけでは、物足りなくなったりもするし、
上手いだけの歌、感心するけど、それだけ。
反対に、美声とはお世辞にも言えないシンディ・ローパーの声が、
妙に心に響いたりするし、
上手いソウルシンガーが山ほどいたのに、
ダイアナ・ロスの、ハスキーなんだけどサラっとしてる蜂蜜声は他にない。
フレディも、正式に声楽を学んだ人のほうが上手いのかもしれないけど、
あの色彩豊かな歌は、ちょっと異質だ。
…と、いま書いて気がついたのだけれど、
たしか、シンディは、アート専攻だったはず。
ダイアナは、幼いマイケル・ジャクソンに絵の手ほどきをしていた話は有名で、
フレディは、アートカレッジでデザインを学んでいた。
声と言う色で、歌を描いているのかな。
なんか、そういう感覚を感じるアーティストの歌、
茶目っ気っていうのか、
チャーミングな感じがするのは何故だろう?