こんにちは、フムフムです。
いかがお過ごしですか?
きのうは桃の節句でしたね。
(新暦の三月三日ですから本来の季節感はありませんが…)
私の家には雛人形がなかったので、
白石こけしを並べたり、
時には母が千代紙や紙粘土でひな人形を作ってくれました。
姉はどう思っていたのかは分かりませんが、
私は家のやり方が気にいっていました。
だって工夫のしがいが毎年あるわけですからね。
いわば毎年が新作雛発表です。
両親ともに宮城の蔵王山麓の出身でしたから、
中央の内裏雛よりは、
もっと土着な「こけし」やこけしのルーツである「おしらさま」が
馴染み深かったのかもしれません。
「おしらさま」とは、東北の、主に青森や岩手に伝わる信仰で、
家の神様、子どもの神様、蚕の神様、馬の神様とされていますが、
ルーツは先住の人達(縄文人、アイヌの方々)を
祀ったものであるという説もあります。
男女一対の「おしら人形」は、
雛人形の原形ともいわれるものです。
手彫りの馬の頭や人の頭らしきがついた
細い桑の木の棒を芯にして、
着物に見立てた布を一枚、
毎年または何年かおきに重ね着させてやります。
この着物は厄や「けがれ」を転したもので、
身代わりに一身に背負った人形は、
古いものは着ぶくれして太っています。
また昔は、幼い子供を失ったお母さんが、
おしら人形を作って、
「おまじないをもっとしてあげたらよかったね」と、
毎年一枚着物を着せてやったそうです。
子どもが何事もなく育つということは、
今に比べようもない切実な願いだったでしょう。
20年以上前に、岩手県の遠野伝承園で、
1000体以上の「おしら人形」が集められた
さほど広くないお堂に入った時は、
その代々の願いや念に圧倒されて、
ものの五分と空間にいられませんでした。
我が家では、お役目を終えた
手作りの雛人形を処分するのに、
「ありがとさんしようね」とお礼を言ってさよならをするのも、
今おもえば良い教えをしてもらったなと思います。
健やかに育つ願いと、
身代わりになってくれた者に対する感謝の日です。
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