「マクトゥーブ 賢者の教え」パウロ・コエーリョ・著

「アルケミスト」、「星の巡礼」、「ベロニカは死ぬことにした」の作者、
パウロ・コエーリョのコラム集。
新聞連載をまとめた、1ページに一作品の本作は、
誰もが心に響く言葉に出会えることと思います。

以下は私の印象に残ったものを、
思いだしながら書いたものです。
一字一句は合っていませんが、こんな感じです。

***
ある男がメルセデスベンツに乗っていたら、タイヤがパンクしてしまった。
取り換えようにもジャッキがなかったので、
最初に見えた家で借りることにした。
だが、タダでは貸してくれんな、と男は考える。
「ジャッキが必要だ」と言えば、
この豪奢なメルセデスを見て「10ドルだ」と言うかもしれん。
いや50か?どうしたってジャッキが要るんだもの。
100ドルだと言いだしてもおかしくないぞ。
考えるうちに値段は釣り上っていく。
ようやく一軒の家を見つけて、
住人がドアを開けた途端、男は叫び出した。
「この泥棒め!
ジャッキがそんな高いはずないだろ!
これでどうだ!」
私は絶対にこんなふるまいはしない、
そう言い切れる人がいるだろうか?
***

「現実」と「思考」はこんなふうに開いていきがちだ。

*「マクトゥーブ 賢者の教え」
パウロ・コエーリョ
2011/角川書店

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>