言葉は色を見分ける 言葉は意識にあげる鍵①

家の日常使いのタオルを新調しようと、
Amazonで検索して物色中。
中途失明の私は、商品写真で色をを見ることができないので、
商品説明の色の名前が頼りになるのですが、
一工夫あるショップさんはありがたいです。

たとえば、タオルの色が商品のサブタイトルになるのですが、
これが「ブラウン」、「ピンク」や「グリーン」ではなく、
「モカ」や「アーモンド」、
「コーラルピンク」、
モスグリーン」、「リーフグリーン」など
自然にある色の名前だとイメージがしやすいのです。
ミルク入りのコーヒー、アーモンド、赤珊瑚、苔、若葉、
ああ、あの色ねと瞼に浮かびませんか?

色は無限にありますが、
「言葉が色を生み出す」というのをご存知でしょうか。
これは目が見えている人でも、
色の名づけがないと「色が見えない」のです。
*もちろん目に障害おお持ちの方は話は別です。

赤は、「こういうのを赤といいます」という言葉の名づけによって
目は「赤色だ」と意識できるようになります。
そして赤にもいろいろあって、
茜色はこう、煉瓦色はこう、と言葉がつくと、
それぞれの色の判別がつくようになるのです。
グラデーションも違いを言葉の名づけによって意識できるようになる。

言葉の数だけ、色の区別ができるようになる。
たとえば赤が赤しか言葉がなかったら、
茜も煉瓦も朱も珊瑚も「赤」。
言葉の名づけがないと、微妙な違いは、
見えてはいるのに、見分けがつかない。
見えていても「存在しない」と同じこと。

日本は古から色の名づけ言葉が豊富ですね。
豊かな土壌と四季で植物の種類が多いことと、
あらゆる草木、花から染料をつくり、
そのひとつひとつに色の名づけをして区別をつけた。
随分前に伝統色をまとめた事典を見ては、
その数と細かなグラデーションに仰天したものです。

さて。前述のショップさんはおそらく、
「モカ」色にしようと決めてから、タオルを染めていったと思います。
「モカ」という言葉が先にあって、「モカ」色のタオルは出来上がった。

ちょっと難しかったですかね?
次回は「言葉が、味覚も嗅覚も生み出す」ことをお送りします。

(続きます)

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