「はたらくおじさん」という小学生の教育番組が昔あった。
人間のタンちゃんと、犬のペロくんが、気球にのって、
働く人のところにいって、その仕事のあれこれを教えてもらう。
私は子どもの頃、この番組が好きだったなぁと思いだした。
楽しかったな。いろんな仕事や職業があったっけ。
なかでも、職人っていいなぁ、って思ったような気がする。
いま思うと、その頃はまだ「横文字」な職業があんまりなかったような。
そして、意外や意外、この番組が自分に影響を与えていたかもと気がついた。
私が校正の仕事をしていたのは、某就職情報誌と、某アルバイト情報誌だった。
いろんな仕事があるんだなぁ、と本当に面白かった。
某カレーショップの欄で、フランチャイズ店数がどんどん増えていったり。
やがてバブルの余韻はすっかり影をひそめ、
その某情報誌も、電話帳ほどあった厚みもペッタンコになり、
いつしか私はリストラとなった。
そしてその某就職情報誌をみて、
某カレーショップの本拠地近くにある会社に就職し、
掛軸をつくる表具師になったのだった
…おもしろいなぁ。
今でもいろんな職業の人の「その職ならではの視点」を聞くのが好きだ。
お世話になっている鍼灸院でも、美容室でも動物病院でも、
へぇえ!と思うことが多い。楽しい。
語るうちにその人がイキイキしてくるのも、またいい。