人を元気にする人、というのもすごいなぁと思うのだけれども、
人を安堵させる人というのが、
実はとんでもなくすごい人なんじゃないか、と私は思っている。
いまから数年前のこと。
精神科医の越智啓子先生の講演会を聞きに行った。
ボイスヒーリングや、アロマやクリスタル療法をされている、
講演会では爆笑トークのパワーあふれる先生だ。
休憩時間に、越智先生が私とサンダーの近くを通りかかったようで、
一緒にいた母が越智先生に声をかけたらしい。
私はむかし沖縄で、越智先生の前世療法を受けたことがあって、
それを母は、ただ伝えたかっただけなの、と後で言っていた。
すると、越智先生は黙ってそっと私の手を包んだのだった。
咄嗟のことで状況が飲みこめなかったのに、
不思議と私はぜんぜん怖くなかったのだ。
何分も黙って手を包んでいてくださったのだけれど、
こちらの居心地がもそもそしたり、困ったなとなりそうなものが、
それがぜんぜんない。もう、すごい安心感というか安堵感。
ふわりと包んだ手から、穏やかさや、くつろぎのようなものが伝わってくる。
それは純粋で透明な、とても細やかな粒子のよう。
言葉がなくても伝わるのよ、
そして、まず自分からくつろぐことね。
そんな会話を交わした訳ではないけど、
そう教えてもらったような気がする。