不思議なこと

重金属製の歯の詰め物の害はまだまだ知られていないし、
歯の噛みあわせを治すと、心身の不調が改善することも余り知られてはいないが、
知っている人が全国から訪れる歯医者が博多にある。
私は、その歯医者で治療を受けたことがあるのだが、
たくさんの症例といい、提唱している理論と言い、
先を行き過ぎてる、とにかく不思議な歯医者なのだ。
人の歯の組成は、アメジスト(紫水晶)に最も近い、とかね。
しかし、これから書くのはその歯医者の話ではない。

福岡県西方沖地震の数週間後だったと思う。
先に書いた不思議な歯医者さんでの治療の合間に、
博多は某商店街にある、天然石の店に入った時のことだ。
女性の店長さんに、地震の被害はどうでした?と聞いてみたのだが、
「ええ、それがですね…。」、と困ったような顔をしている。
(当時まだ私は視力があった)
あ、聞いてはいけないこと言ったと私は後悔したのだが、
女性の店長さんは控えめに語りはじめた。

「大きく揺れたので、
大変なことになっているだろうと想いながら店へ向かいました。
商店街の酒屋さんでは、落ちて割れた酒瓶を掃除している姿も見ましたし、
近くのタワー式の駐車場の車も落下してました。
これは仕方ないと覚悟を決めて店のシャッターを開けたんですが、
…ゾーっとしました。
前の晩に店を閉じた時のままの光景だったからです。
天然石が、ひとつも動いていませんでした。」

ええ~っ?!
店内には天然席が大小いくつもあって、
カットされたものやタンブルは固定されて置いてあるわけでもないし、
球体の水晶玉は小さな座布団に乗っけただけだ。
一番驚いたのは、店に大きな天然石のオブジェが一対あって、
これがコケたり、落ちて割れなかったこと。
だって、腰高ほどの円柱の天辺の窪みに、
ボーリング玉サイズの天然石の玉がポンと置かれただけなのだ。

「逆に怖かったです。
なんともなかったので。
ただ、壁のカレンダーだけがパタと落ちていて、
それに、天上から落ちたホコリが床にびっしり積もっていたので、
確かに地震の形跡はあったのですが…。」

…不思議なことってあるんですね。
きっと、石の皆さんが、意志を持ってですね、
皆で手をつないで踏ん張ってくれたんでしょうね。
と私は冗談ぽく答えたのでした。

実は、水晶好きには、こういうことはよく知られている。
阪神淡路の時に、水晶は無事だったという話は聞いたことがあった。
水晶は地球が育てた子どものようなものなので、
不思議なんだけど不思議でもないよな、と私は思うのでした。

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