未来の自分をたすけるために

いしだあゆみさんが去年3月に橋本病(甲状腺機能低下症)で急死した時、
SNSでは「橋本病は死ぬ病気なのか」と驚く声が多かったけど、
長年この病気とつきあってきた私はおどろかなかった。

とてもまれなことなのだけど、
甲状腺の病気は重症化すると急死することもある。
病気に気付かずに未治療のままでいると、
平均より20年寿命が短いなんて話も。
でもこれを言い換えれば、
重症化を予防して、
きちんと治療していけば
寿命をまっとうできるということだ。

しかし厄介なのは、
甲状腺の病気は他の病気と間違えやすいこと。
多汗や動悸、自律神経の乱れ、
疲れやすさや顔や体のむくみは更年期障害と同じだし、
鬱や無気力、イライラなどのメンタル症状が出現することも。
なので婦人科や心療内科を受診してしまい、
甲状腺の病気が見逃されやすい。

さて、甲状腺ホルモンとは何か。
全身の新陳代謝、
体温や心拍数や自律神経の調整など、
生命活動に影響するのが甲状腺ホルモンだ。
このホルモンは出すぎても出なさすぎても良くない。
甲状腺ホルモンが過剰に出すぎて
全身の機能が暴走状態になり手が付けられなくなるのがバセドウ病で、
一方、甲状腺ホルモンが出なくなり
全身の機能低下もしくは循環不全になるのが橋本病だ。
橋本病は甲状腺ホルモンがずっと下がっているわけでもなくて、
バセドウのようにホルモンがですぎてしまうサイクルがある。
フルマラソンを走っている状態と冬眠状態の時期が交互にやってくるのだ。
私はその2つの時期の体重差が最大20キログラムあった。
(42キロ~62キロ 通常50キロ前後)
…これはおかしい。首も腫れてるし。
ということで、当時はまだ珍しかった甲状腺専門病院
神戸の隈病院で診察を受けたのが25年くらい前だった。
以来、生活習慣に気をつける
(昆布はなるべく食べない ストレスためない)で、
甲状腺ホルモン値は正常に保てていたけれど、
60代あたりから注意せよのドクターの言葉通り、
重度の高血圧と、夜中の動悸と胸痛がはじまったのが昨年のこと。
生まれてはじめて死ぬかと思った。
時を同じくして帯状疱疹にもなり、
これはまずいと、近隣の甲状腺専門医に診てもらうようになった。
「今すぐではないけど、ホルモン補充薬ははじめるからね」と言われて、
あー、いよいよだなぁと思う。
25年前の私よ、
今の私をたすけてくれてありがとう。

橋本病を治療中だったのか未治療だったのかは分からないけれど、
いしだあゆみさんが70代で亡くなったというのは私の中では納得感がある。
なんとなく自分は70代のラインだろうなって、
いままで生前整理と生活設計をしてきたところがある。
もしも間違ってすごい長生きしたらそれでいい。
一応、長生きタイムラインの生活設計もたててある。
どっちでもいいけど、
かっこいい70代になりたい。
(今年58)

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